愛知県菓子店

2022.02.16

亀屋芳広

三世代70年 地域に根付いた

花井芳太朗社長 今回は和菓子部門副理事長花井義一氏のお店、「亀屋芳広」を紹介します。「亀屋芳広」は1949年に熱田神宮に近くで創業、家業から企業として体制を整え発展を遂げる現在は、名古屋エリアに17店舗を展開しています。和菓子を中心に洋菓子も取り扱い、路面店にこだわった地域密着営業で地元の人たちに愛される人気店です。

 現在代表取締役社長であられる花井芳太朗氏にお話を伺いました。「創業は1949年です。祖父であり創業者の花井金造は、戦後和菓子の世界に活路を求め、親戚の岡崎市の和菓子店『亀屋芳春』で修業し、20代の時に暖簾分けで独立しました。出身は知多半島ですが、由緒ある所に店を構えたいと考え、熱田神宮からほど近いところに出店し「尾張熱田で一番の菓子店」をめざし、饅頭や団子などをリヤカーで引き売りするなどして御用聞きに回り、得意先を開拓していきました。その後、菓子の需要が伸びるにつれて洋菓子も手がけるようになり、高度成長期もあり、さらに事業が発展していきました。売上も順調に伸び従業員も増えていったといいます。」

 2代目で事業を引き継いだ花井義一現会長は、商品の仕上げなどに手づくりの要素を残しながら、工場の建設や製造工程の自動化など設備の近代化に力を入れる一方、人材育成にも注力しました。路面店にこだわり、郊外にも出店エリアを広げて、現在に至るまで名古屋市内には、「熱田本店」をはじめ11店舗、東海市、大府市、日進市など周辺に6店舗を構えるまでになります。

 2015年に、3代目に就任した花井芳太朗社長は、跡を継ぐことに対して「小さいころから漠然と跡を継ごうと考えてはいましたが、米国に留学するなど回り道しなかなか決心がつきませんでした。留学中現地で日本料理や和菓子が注目されていることを目の当たりにして、改めてその素晴らしさに気づいて跡を継ぐことに決めました。」と語る。
 そして4年間の修業を終え28歳のとき亀屋芳広に入社、8年目に社長に就任し現在に至る。現在花井社長はフランス料理学校のル・コルドン・ブルーで和菓子クラスを社員さんと務めたり、地元でも身に着けた英語力を生かして名古屋市の外国人向けのイベントや海外イベントなど新たなステージでも活躍されています。他にも新時代に支持される和菓子を企画・開発しようという発想のもと、全国の老舗名店の若旦那たちと「ワカタク(若き匠たち)」という名のチームに参画されています。「2013年から地元の活動もしています。熱田をよく知らない方にも熱田に興味を持ってもらえるようにと「あつた宮宿会」を結成し活動しています。その一つが「あつた朔日市」です。「朔日参り」とは、古くから伝わる、毎月1日(朔日)に神社に参拝する風習で、宮宿会として「朔日市」を開催させていただいています。そこには熱田に縁のある企業等が出店を出し、少しでも商売を通じて地元に貢献できればいいなと思っております。」

 創業から三世代70年の長きにわたって、尾張名古屋にしっかりと根付いて地域の人たちの生活に溶け込んでいる亀屋芳広。今後もさらなるご発展をお祈り申し上げます。

 愛知県菓子工業組合・柘植千晴

店舗データ

亀屋芳広亀屋芳広
代表取締役社長/花井芳太朗
本社所在地/名古屋市熱田区伝馬1―4―7