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「第十二回全国和菓子甲子園」兵庫県初優勝!

初出場 神戸第一高等学校が快挙!

塚本瑛斗さんと安達由佑大さん 今年で十二回目を迎えた「全国和菓子甲子園」の今年のテーマは「まめ」。

 「まめ」といえば、一番初めに頭に浮かんだのが兵庫県名産の「丹波の黒豆」「丹波大納言小豆」でした。と答えてくれたのは、神戸第一高等学校パティシエ・ブーランジェコースに通う、安達由佑大さんと塚本瑛斗さん。

 地産地消で兵庫県の素材にこだわって作りたいと思い、実際に丹波篠山市へ行き、地元で採れた食材をどのように使っているのかと、和菓子店・洋菓子店等を見て回りました。そこでデザインのイメージが出来ていざ試作をしてみると、自分が思っていた形や食感にならず、何度も試作を重ね、試行錯誤してようやく出来上がりました。今回の作品は、一番下には丹波の卵を使用した黄身羽二重時雨の中に丹波栗・丹波大納言を入れ、真ん中に丹波大納言のきんとん餡を流し合わせて丹波の大地を表現し、一番上の層は、丹波黒豆抹茶を使った浮島の中に丹波の黒豆を入れて、丹波の山々を、一番上には丹波黒豆茶で作った錦玉羹で丹波の大地を照らす太陽の光を表現しました。丹波には、素晴らしい大地の恵みが豊富にあるという事で、題名を「大地の恵み」とつけました。

技術を極めたい安達さん また、丹波の黒豆農家の方から、少し傷がついたり形が悪いと出荷出来ない黒豆が毎年大量に出るという事を聞きました。学校でSDGs(持続可能な開発目標)の勉強中で、サブタイトル「今自分達にできること」は何かと考え、作品の中に入っている黒豆は、少しでもフードロスが削減できたらという思いから規格外の黒豆を使用しました。また、作品の難しかった所は、全体の食感を揃える事、そして、一番のこだわりポイントは、見た目は洋風ですが、和の素材だけで作った事と、カットした時に中から丹波の素材が出てくるという和菓子で大切な「わびさび」を表現したところです。

 審査員の先生方に、一番苦労した全体の食感を揃えるという所を高く評価していただき、とても嬉しかったですと笑顔で答えてくれました。

 優勝から三ヶ月経ち現在の様子をお聞きすると、安達さんは「和菓子職人になり、技術を極めたい」とのことで、上生菓子の制作に取り組んでいるそうです。また、塚本さんは「和菓子だけでなく、いろいろなジャンルのお菓子に挑戦し、レパートリーを増やしたい。将来は自分のお店を持ちたい」と意気込んでいました。これからも夢に向かって頑張ってほしいです。

 兵庫県菓子工業組合事務局・奥山優子

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