群馬県菓子店

2021.12.16

菓心たつや

試行錯誤しながら

きんぴらまんじゅう 私は群馬県高崎市で和菓子店「菓心たつや」を営んでいます。父が興した田舎饅頭をメイン商品とした菓子製造卸業「㈲清水食品」の店頭小売部門として、平成5年にオープンし平成10年に卸部門縮小と共に、「㈲菓心たつや」に社名変更し現在28年目になります。

 開店当初から製造し好評を頂いている商品に「きんぴらまんじゅう」があります。お惣菜のきんぴらをたっぷりと餡に入れ、唐辛子で味付けしたピリッと辛口の餡を父から受け継いだ田舎饅頭の皮で包んだ一風変わったお饅頭です。開店にあたって他店に無い個性の強いオリジナル商品が必要との思いから試行錯誤を繰り返し自信を持って商品化したのですが、販売開始から数カ月経過しても一向に反応が無く、作っては潰すもしくは試食として配るを繰り返していました。新規オープン店なので客足は良いのに、売れないという事態で心折れそうになりながらも販売し続ける強い気持ちが持てたのは修行を始めた時にお世話になった先輩職人さん達のおかげだと思います。

 私は日本菓子専門学校を卒業し東京杉並区の和菓子店に入社しました。修行という事でお給料は少なかったのですが、作業終了後は自由に設備、材料等を使わせて頂けたのは大変有難い事でした。何よりも私にとって良かった事は先輩職人さんに連れて行ってもらった月に一度の品評会でした。上生菓子の基本である「五つ盛り」を作り御指導頂くのですが、まず10日間位でデザイン画を書きます。五つの違う「味、形、色」という条件の中で一つの季節を表現します、文字にすると簡単そうですが、経験や知識が乏しかった私には大変難し事でした。そして20日間位で制作します。私は先輩職人さんにデザイン画の描き方を教わり、技術についてはヘラやきんとん箸の持ち方などまねる事から始めました。「見る、聞く、作る、批評を頂いてまた作る」繰り返して出来る事を少しずつ増やしていく以外に良くなる方法は無いと教えて頂いた4年間でした。あの時厳しく接して下さった先輩方には感謝の気持ちでいっぱいです。これからも試行錯誤し、楽しみながら菓子作りを続けて行こうと思います。

 群馬県菓子技能士会会長・清水達也