神奈川県菓子店

2021.10.15

和菓子おおたけ

地域の歴史と共に歩む店

踊場銘菓 猫に小判 横浜市営地下鉄の踊場駅に降り立つと閑静な住宅街でした。まだまだ開発が進みそうな家並みのどこに目指す「おおたけ」は在るのか、町の人に伺うと自分の家を教えるがごとく丁寧に「和菓子」の旗をめざしていくようにと教えてくれました。住民にとっては馴染みの店らしいです。店主の大竹さんは簡単なところなのに解りにくいと言ってましたが地元民は皆が知っている店、愛する店としてこの街に同化しているのでしょう。頂いた名刺には「和菓子お届けいたします」と書いてあり、ご近所にはお届けも可能のようです。

 「ここは昔の逸話から夜になると猫が踊る町」だと大竹さんに教えていただきました。この逸話は『日本伝承大鑑』に載っている昔からの逸話です。

踊場ねこ最中 相模の国、戸塚の宿の醤油屋から毎晩、1本の手拭いが無くなります。主人が隣町に出かけた帰りに飼い猫が手拭いを咥えて逃げていくので探したら沢山の猫が手拭いをかぶり踊っていました。そして猫が踊っていた場所が現在の地下鉄を出たあたりの場所だったので「踊場駅」としたそうですが、踊場という地名はありません。踊場の町を歩くと猫の神社や置物が一杯あるそうです。そういえば踊場駅にも沢山いました。通路は猫の足跡、猫が壁に上ろうとして居たり、寝ていたり自由に駅の住人になっていました。又、天井を見上げると猫のアートがあり、駅だけでも楽しめる所でした。

 2019年、戸塚区制75周年の時に「戸塚のおいしいもの・とつかブランド」を選定した中に「おおたけ」の「踊場銘菓猫に小判」も認定されました。店頭にはその他にも「踊場のねこさぶれー・ねこどら焼き・踊場ねこ最中」その他たくさんの地元に密接した作品が並んでいました。開店以来15年間の大竹さんご夫婦が築いた町を愛する気持ちが、町の人にも伝わりお客様が絶え間なく来店して下さいます。また地域の町おこしに手を貸し地域密着のお店で繁盛しています。

踊場のねこさぶれー 県内の和菓子職人さんの2代目~4代目までの幅広い年齢層の11名が2019年に「菓志和会」を立ち上げインスタグラムに情報を上げたり、県内の新生研究団体としてLINEで意見交換したり、各地の情報交換をお互いにやり取りし、密に情報共有が出来ており、心強い仲間となって良い関係を作り上げています。これからも期待していきたいグループとなるでしょう。

 神奈川県菓子工業組合事務局・中山尚子