宮崎県菓子店

2021.10.15

2代目として見えてきた新たな目標

職人歴10年間を振り返って

「鯨ようかん」「佐土原まんじゅう」「チーズ饅頭」 お菓子のよしだ家は宮崎市佐土原町にあり、今年で創業39年を迎えます。家族経営で地域のお客様に愛される店舗づくりに日々精進しています。一番人気は小麦生地に上品な甘さのこし餡を包み込んだ「佐土原まんじゅう」です。他にも佐土原地区に古くから親しまれている「鯨ようかん」、宮崎名物の「チーズ饅頭」などの和菓子を中心に品揃えしています。地域のお客様にとって「いつも笑顔のかたわらにあるお菓子」を目指しています。

お菓子のよしだ家 店の開店2か月後に生まれた私は、店を立ち上げた両親を見ながら成長してきました。途中まったく違う職業に就き社会を経験した後、実家で仕事を始めて10年が経ちました。製菓学校にも修行にもいかずに飛び込んだ世界ではわからないことだらけでしたが、10年で達成すべき目標を掲げて日々取り組みました。

 まず定番の商品をしっかり作れるようになること。まんじゅう、どら焼き、大福、チーズ饅頭を安定して作れるようにすることから始めました。同時に、佐土原に昔からあるけれども、自店では製造していなかった「鯨ようかん」の製造開始に取り組みました。一般的には手で団子生地の成形を行うのが主流でしたが、包餡機で蒸しようかんのベースとなる棹上の生地を効率よく製造できないかと、手書きの図面をメーカーに提案しながら部品の試行錯誤を重ね、製造を開始することができました。

 次に、製菓関連の資格取得に取り組みました。具体的には製菓衛生師、菓子製造技能士(和菓子)1級、2級、職業訓練指導員(菓子)を目指しました。

 当店の場合、工場内の作業においては、感覚で回数を重ねれば覚えられることや出来るようになることがほとんどでした。しかし、今後事業承継をしていくうえで父と同じような安定した製品を作るためには理論的な部分も知る必要があると感じたことが挑戦のきっかけでした。実際に取り組んでみると生地や餡の状態変化に対して「○○だからこうなる」と理解をすることができるようになりました。そのおかげで、配合や作業工程を効率化する提案や新商品への転用を考えることができるようになりました。ただ、技能士試験の実技に関してはかなり苦労しました。一番身近な職人である父に聞こうにも「出来るけど教えることは難しい」ということが多く、感覚を非常に大事にしている職人ならではの壁に苦しみました。どうしても行き詰った時には県内の菓子組合員の大先輩に作業を見せていただいて試験に臨みました。県外でしか開催されていなかった試験会場でも、評価の基準がわからない部分については試験後会場に残って試験官に尋ね、ついに合格を手にすることができました。

 途中失敗したことも多々ありました。そんな失敗を寛容に受け止め続けてくれた父には本当に感謝しています。私の場合、自分のできる範囲でのトライ&エラーを繰り返しながらなんとか職人として、後継者として食らいつこうと奮闘してきました。

 この経験を活かしてさらに10年後には自店の維持だけでなく、ゼロから始める後進の職人たちの育成や技術の向上に助力できるような店舗になれればいいなと考えています。

 宮崎県菓子工業組合・お菓子のよしだ家・吉田保徳

 

店舗データ

お菓子のよしだ家お菓子のよしだ家
〒880-0211
宮崎県宮崎市佐土原町下田島9481-1
TEL … 0985-73-6136
9時開店
定休日 … 水曜日
ホームページ
https://r.goope.jp/okashi-yoshidaya

お菓子のよしだ家