石川県レポート

2021.08.17

金沢市を代表する祭りを題材にした上生菓子を考案

石川県菓子工業組合金沢支部 菓友会

提灯行列・加賀の誉・百万石の華・希望の灯 石川県菓子工業組合金沢支部菓友会は、金沢市に居を構える和菓子店及び菓子業者の青年部会です。会員数は現在28名で、年間を通して金沢市内を中心に各種イベントへの出展や和菓子づくり教室等を通じて、和菓子文化を伝える活動を行っています。しかし新型コロナウィルスの影響によって昨年以降そういったイベント等が軒並み中止となり、菓友会として表立った活動を行えない状況が1年以上続いていました。

 そんな中、菓友会として新たに企画したのが「百万石まつりを題材にした上生菓子」の考案です。百万石まつりとは、加賀藩の藩祖である前田利家公が金沢の礎を築いたことを記念して毎年6月上旬に開催される祭りです。特に祭りのメインイベントとして市内中心部で行われる百万石行列では毎年沿道に多くの金沢市民が押し寄せ、また複数のテレビ局で生中継もされるなど1年間で最も金沢市民の関心が高い行事となっています。残念ながら今年は昨年に引き続き2年連続で中止となってしまった祭りなのですが、楽しみにされていた市民の皆様に気分だけでも祭りを楽しんでもらおうと、祭りのシンボルを上生菓子で再現し、各店で販売するという企画です。

 考案した上生菓子は「提灯行列」、「希望の灯」、「加賀の誉」、「百万石の華」、の4種類です。「提灯行列」は百万石まつりの前夜祭において、金沢市内の小学生たちが提灯を持って市内中心部を練り歩く様を題材にした上生菓子です。外郎に赤・黄色・青の3色の色付けをしたもので、それぞれ提灯、ろうそくの灯り、子供達が着る法被を現しています。「希望の灯」は前夜祭において、金沢を流れる浅野川で行われる灯篭流しを題材にしたものです。錦玉で灯篭を作り、淡い色の練り切り餡を灯篭の灯りとしてあしらうことで、暖かい色を灯しながら灯篭が川を流れる様を表現しました。「加賀の誉」は前田利家公が織田家に仕えていた際に赤母衣(あかほろ)衆として活躍した様を題材にしたものです。前田家の家紋である梅鉢紋と金箔が勇壮な姿を想起させる上生菓子です。「百万石の華」は百万石まつりに合わせて一般公募で毎年選ばれる〝ミス百万石〟を題材にしたものです。美しい着物を身にまとい、百万石まつりを優雅に彩る女性たちをイメージして製作しました。

 考案した上生菓子については菓友会に加盟する4店舗で販売しましたが、全店舗で予想を上回る反響があり、用意した分が足りなくなり追加製造に追われることとなりました。企画の趣旨としては中止になった祭りを気分だけでも楽しんでもらいたいというものではありましたが、反響の大きさを考えて来年以降は百万石まつりを盛り上げる一貫として継続する方向で調整することになりました。今回は準備期間の関係で4店舗のみでの取り扱いとなりましたが、来年以降は金沢市内の多くの和菓子店に協力を仰ぎ、また上生菓子の種類も増やして百万石まつりに欠かせない行事にしていきたいと思っております。

 石川県菓子工業組合金沢支部菓友会会長・板村壮麻(金沢の味 風土菓板屋 社長)