各地の菓子店探訪
香川県菓子店の投稿

丸亀市 きさらぎ

こころ豊かなひとときを

2代目店主・岩倉公紀さん 此度、前任のくつわ堂の田村正太郎さんより青年部長のバトンを引き継ぐこととなりました、丸亀市寶月堂の桑田剛史と申します。不慣れな処だらけで御座いますが、楽しく一生懸命、そしてユーモアあふれる香川県内での活動をより推進していく所存で御座います。まずはご挨拶とともに引き続き香川県菓子工業組合を宜しくお願い申し上げます。そんな桑田が緊張感バクバクの状態で組合さんのお店にお邪魔していざ、レポート初陣。

~こころ豊かなひとときを~

讃州最中 今回お邪魔しましたのは昭和48年創業の丸亀市に2店舗お店を構えておられるきさらぎさん。風光明媚な讃岐富士こと飯野山のお膝元で48年間地域の方との絆を何よりも大切にされ、店舗名と共に掲げておられる「こころ豊かなひとときを」を日々お客様に提供され、満足度の高いお店作りを目指されているきさらぎ2代目店主の岩倉公紀さん。まずは店舗名のきさらぎの由来は意外なものでホッコリする由来でした。先代がお見合いされた時期が2月(如月)だったとか・・・少し恥ずかし気に話される2代目に先代と同じ温かみのある人間味あふれた部分を拝見しました。この温かみ「想い」が日々お客様への想いにも繋がっているのではないかと感じました。和洋問わず幅広く取り揃えておられて、先代より受け継がれてきた商品から時代に即した旬の商品まで商品名からその由来(ストーリー性)、取り扱う材料のこだわりや活かし方、商品を通じた健康へのこだわり等、オリジナリティを追求し創造性ある菓子作りを探求されている店主の言葉には力を感じ得ました。

~地域に根付いたこだわり~

桃の旬彩ロール 全国菓子大博覧会にて農林水産大臣賞を受賞された代表銘菓「讃州最中」は、北海道産の良質小豆を時間かけてじっくり炊き上げ、程よい甘さに仕上げた粒あんでモチモチ柔らかな求肥を包み込み、最中種に詰め込んだ創業と共に歩んできた地域に親しまれた銘菓。

 そして丸亀市飯山町に古来より伝わる讃留霊王(サルレオ)伝説にあやかり、「讃王さん」を親しまれてきた呼び名を商品名とし、どら焼きとして表現。こちらの商品、材料にもこだわりが強く、香川県産「さぬきの夢」、希少糖、讃岐三盆糖(和三盆糖)と讃岐の地でしか得られない素材をボリューム満点に贅沢などら焼きとして普段使いからご進物まで幅広く活用されております。

 他にも讃岐富士の山頂にある伝説の大男「おじょも」の足跡を焼印で押した「おじょも伝説」は見た目のも可愛らしく希少糖と香川県産のお茶、高瀬茶を用いたミルク入り抹茶饅頭は世代関わらずに人気の一品。きさらぎさんの商品はどの商品においてもオリジナル性、地域性、日常性に富んだものが多く、地元を大切にしている様子が伺えます。またこの取材時には丸亀市飯山地区の特産物「白桃」がまさに最盛期。もちろん、きさらぎさんも桃への力の入れ方は半端なく、桃ゼリーや桃の旬彩ロールはまさにTHE桃!旨味を最大限に引き出し、積極的に取り入れられてる処は大変勉強になりました。桃の旬彩ロールを取材のあとに購入して食しましたが、とにかく桃がいっぱい桃だらけ!フルーティー感満載で生地とクリームはあまり前に出ることなく、桃の甘さに合わせて作られたこの時期でしか味わえない一品。ここだけの話ですが、家には内緒ですが、一人で全部食してしまいました。また商品開発以外にも従業員さんへの指導体制や研修にも大変力を入れておられ、外部から講師の方を招聘されての研修を積極的に活用されて、より一層地域に根付いた菓子の技術発信、文化発信されている姿に同じ丸亀で店を構えている者として元気を戴きました。

 香川県菓子工業組合・桑田剛史

店舗データ

きさらぎきさらぎ
本店 香川県丸亀市飯山町東坂元107-3
TEL 0877-98-3394