神奈川県菓子店

2021.07.16

想いを繋いで進化し愛され続けるクルミッ子

左から「鎌倉だより」「あじさい」「クルミッ子」 六月初旬の梅雨晴れの日に神奈川県で指折りのお菓子屋、創業六十七年の株式会社鎌倉紅谷にお邪魔致しました。いつもは個人店主のお店に訪問していたのですが会社に伺うのは初めてでしたので担当の方と応接室に入室した時はとても緊張致しました。社員の方々の爽やかな挨拶のお陰で穏やかな気持ちで取材をさせて頂きました。今回は鎌倉紅谷さんが掲げる「『おいしい』の先にある気持ちを一番大切にするお菓子屋」を目指すルーツを私なりに紐解いてみました。

有井宏太郎さん 江戸、明治と古くから賑わいを見せていた神楽坂は、関東大震災後の復興も早く、様々な著名人が集まりいち早く文化が発展した街の一つです。そんな神楽坂で、初代有井鉄男さんは和菓子職人として腕を磨いていたそうです。その後、鎌倉の地で洋菓子職人だった二代目有井弘臣さんと出会い、鶴岡八幡宮すぐ側に二人で鎌倉紅谷を創業しました。鎌倉の地を選んだのは、神社仏閣が多い神楽坂と似たものを感じたからなのかも知れません。

鎌倉紅谷 鎌倉紅谷の代表商品といえばバター生地でクルミとキャラメルをはさみ焼上げたクルミッ子。二代目の弘臣さんが、鎌倉に多いリスと、リスの好物であるクルミからヒントを得て開発しました。当時は源頼朝を描いたパッケージに包まれており、渋いイメージのお菓子だったそうです。これを三代目現社長の有井宏太郎さんが、個包装に描かれていたリスのキャラクターを前面に出したパッケージに大きく変更したことで、客層や需要が大きく広がり、鎌倉紅谷を代表するお菓子となりました。「商品の価値を正しく伝える」ために見せ方こそ大きく変えたものの「常においしさを追求し続ける」というお菓子に対する想いは創業本店外観当時から変わりません。お菓子が持つ励みや喜び、感動を届ける力を信じて、社員と共に時代に応じて進化し続けながらお菓子作りに励んでいます。

 神奈川県菓子工業組合広報部・亀岡肇