新潟県レポート

2021.05.17

端午の節句にまつわる想いで

伝統を維持していく我々の務め

かたもち 「端午」とは月の初めの午(うま)の日、5日の事をいうそうです。

 昔、中国で5月5日に行われていた病気や厄災を祓う重五(ちょうご)という節句と、田植えの時期に農業で厄災除けとしてヨモギや菖蒲を飾る日本の行事と結びつき、端午の節句が始まったと言われているそうです。

 端午の節句というと、一般的にこどもの日、こいのぼり、兜等3月のひな祭りに対する男児のお祭りというのが、一般的にイメージとして湧いてくるのではないでしょうか?

 私が想い浮かぶのは、まだ幼かった小学校1,2年頃の我が家と親戚の家の事です。その頃になると我が家では祖母がちまき作りに精を出し、私も手伝いをした記憶があります。笹の葉にもち米を入れ三角形の形にし、イグサで縛り蒸して作るのですが、当時は祖母から教えられて上手く作っていたのですが、今は笹の葉に包んで三角形にする作業が全く思い浮かびません。毎年のように手伝っていた筈ですが。

 後、我が家では作りませんでしたが、親戚の農家では、笹団子を一家総出で作っていました。それも自分たちが食べるだけの数ではなく、山ほどの笹団子を作り親戚は勿論、隣近所に配って歩いていたものです。残念ながら、私は笹団子を作った事がなく、頂いた物を食べるだけでした。笹団子は慣れないと食べる時に笹の葉に皮と餡が付いてしまって、無残な形になってしまいます。笹の葉を細かく剥いでいくと、団子のまま食べられます。ですが、現代版笹団子は食べやすい様に改良されているように思われます。

 最後に登場するのは「かたもち」です。この時期になると、家の天井に「かたもち」を何枚もひもで縛り吊るして、乾燥させた光景を見た記憶があります。現代では、殆ど家庭で行う事は無いと思われます。ちなみに「かたもち」は付いた餅を薄く短冊状に切って乾燥させたもので、餅の中に大豆やごまなどを入れたりします。いわば保存食です。と、ここ迄書いて団子屋さんで「かたもち」を購入したところ、「かたもち」は寒の内(1月から節分迄の約1ヶ月)の間に作られる物だと説明を受け、私の記憶違いだという事が判明しました。私の中では「かたもち」=5月という記憶しかなかったのですが。しかし、今更止めるわけにもいかないので、このまま続けます。

 今では殆ど見られなくなった「かたもち」を見るにつけ、幼かった頃火鉢の上に網を乗せ焼いて食べた想い出がよみがえって来ます。

 日本は四季折々様々なお菓子があり、その地方特有の物も多々あると思われますので、伝統を絶やす事が無いように維持していくのが我々の務めと思う昨今です。状況的にはかなり厳しいものがありますが。

 特にコロナ禍でステイホームが叫ばれている現在こそ、地域独特のお菓子を見直す良い機会ではないかと思います。

 取り留めのない文章になりましたが、最後迄お付き合い下さりありがとうございます。

 新潟県菓子工業組合専務理事・古川雅英