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~醤油の里のひとくちおやつ『大野のこどら』~

五大醤油産地〝金沢・大野〟の活性化グループに注目

大野のこどら 現在、石川県も感染拡大注意報が発出されており、金沢市内はもとより、観光地のホテル・飲食業等はじめ、観光土産品店も厳しい環境にあり先行きが見通せない状況である。そこで、今回表題に掲げた醤油は、日本の生活スタイルの変化によって醤油そのものの消費量が減少、その現状を打破するため、地元の若手経営者達が結集し、新しい組織・ブランド構築・醤油の新たな需要の掘り起こしをテーマに活性化グループが立ち上がった。

イタリアン醤油ソース 金沢市大野地区は金沢駅より車で15分に位置する港町で、大野醤油の歴史は約400年前にさかのぼり、野田・銚子・龍野・小豆島と並ぶ日本五大醤油産地と言われ、古くは北前船の寄港地として栄え豪商銭屋五兵衛が活躍した地である。

 その醤油の街で、蔵人(くらびと)・リズム・躍動感・音楽性を表す※ビートと組み合わせた活性化グループ『大野KURA―beat』を発足、活動の第1弾として商品開発の発表会を3月21日に開催した。

 メンバーは加賀藩前田家より醤油醸造法を学ぶよう命じられたのが始まりとされる大野・直源醤油の現8代当主の直江潤一郎氏、そして菓子の開発は組合事業に積極的に参加・活躍する生菓子専門店「粟森梅月堂」の店主粟森剛氏、次いで紺善醤油味噌の紺田篤史氏、橋栄醤油みその橋本雄一氏の2名が加わり4人の構成メンバーでスタートした。各メンバーは、刻々と変化する生活様式に対応すべき商品提案が急務として、第一弾は、大野のイタリアン醤油ソースを発表、お菓子は大野醤油の特徴とされる甘みに旨みを加えた※たまり醤油とこいくち醤油をブレンドして練り込んだ、ひとくちおやつ『大野のこどら』を完成させ、発表会を地元で披露した。

大野KURA―beat構成メンバー そもそも、どら焼きは楽器の銅鑼から名付けられたと言われ、グループのネーミングにも共通するとして提案した商品である。※たまり醤油とこいくち醤油を練り込んだ「ようかん」と店主一押しの「粒あん」を挟み、ほんのりした味と香り、そして次の1個に手が届くようにと小ぶりサイズで仕上げたハンバーガー風のどら焼きである。発表会で地域住民より〝香ばしい〟、〝あっさりして旨みがある〟との評価を得た。他のメンバーはそれぞれ、サラダ用・パスタ用・お肉用と洋風料理に合うように仕上げた醤油ソースを発表し、地元カフェの「大野もろみ蔵」や昨年開港の「金沢港クルーズターミナル」のイベント等に出品するなど、国内外に向けて『大野KURA―beat』を発信中である。

 北前船時代の繁栄と復活に懸ける『大野KURA―beat』に大いに期待を寄せている。

 石川県菓子工業組合事務局・薮猶八

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