長崎県菓子店

2021.03.17

万月堂

南蛮菓子の有名店

桃カステラ 今回は、長崎県長崎市のお菓子屋を紹介いたします。長崎と言えば南蛮菓子で有名です。日本遺産に認定された長崎シュガーロード江戸時代、鎖国のもと海外との唯一の窓口であった出島。その出島に荷揚げされた砂糖は、長崎から佐賀を通って小倉へと続く長崎街道を、京・大坂・江戸などへ運ばれて行きました。街道沿道は砂糖のほか、菓子作りの技法なども入手しやすかったため、全国的にも有名な銘菓が生まれ、南蛮から伝わった菓子は、それまでの和菓子とは違い、砂糖をふんだんに使うもの。この伝来により、菓子の世界に革命が起こり、長崎街道を中心に、砂糖文化が各地の文化と風土を取り入れ、個性ある味へと花開きました。

 そんな中、南蛮菓子で有名な「万月堂」を紹介いたします。

 「万月堂」は1961年(昭和36)長崎市伊良林で創業。その後、昭和42年に現在の本店愛宕町に移転し、2019年(令和元年)に鍛冶屋町に支店をオープンしました。現在の二代目、永川洋の長男永川功(31)と次男永川聡(26)を訪ねました。

大型ショーケース 「桃カステラ」と「長崎かすてら」を看板商品に和洋の生菓子を使う店として地元民に親しまれている店です。長崎では桃の節句であるひな祭りに桃カステラを送る風習があることから、この時期は店舗に行列ができるほどです。本店は、和洋菓子などの商品があり、常時30種類以上を職人手で丹精込めて作り上げています。支店では、桃カステラを並べる大型ショーケースや練り切り、栗饅頭、各種和洋菓子など20種類ほどの商品が並んでいます。

「万月堂」と言えば、「桃カステラ」

 卵の味がしっかりするフワフワのカステラ生地と、柔らかめの砂糖菓子のコラボが生み出す「桃カステラ」。

 カステラ生地の上に甘くてなめらかな、すり蜜(フォンダン)をコーティングし、餡で作った葉と枝を飾って桃を表現した見た目にも華やかな縁起物のお菓子。時間が経っても固くならず口どけも良い。

 食べる人の事を考えて、保存料などを一切使わずひとつひとつ手作りにこだわっています。

 「桃カステラ」は出産や節句、祝い事に縁起物としても使われます。桃は古代から魔払いにも使われており、神仏にお供えするという風習もあります。

万月堂 同店のカステラは1989(平成元)年全国和菓子博覧会で名誉総裁賞、桃カステラは2013(平成25)年に名誉総裁賞を受けています。

 「愛される郷土菓子の伝統をこれからも守っていきたい」と話される。

 昨今の和菓子産業の実情としては、経営者年齢の高齢化などで後継者離れによる廃業が目立つ、日本全体の問題がある。そんな中、万月堂は二人の息子が三代目の後継者として自ら菓子専門学校へと進み、修行を経て、家業に専念している。また、青年部の活動も積極的に参加しており、若手のホープとして今後の活躍を期待しています。

 「九州ブロック長が行く」の掲載にあたり最後のご紹介が「万月堂」で大変嬉しく思っています。

 最後になりますが4年間九州ブロック長を務めさせて頂き有難う御座いました。

 全菓連青年部九州ブロック長・大串久昭