愛知県菓子店

2021.02.17

名古屋市不朽園

最中の銘店

御菓子司 不朽園 今回、ご紹介するお店は名古屋市中川区の尾頭橋にある「不朽園」です。名古屋で最中と言えば不朽園と言われるほどの有名店ですが、今回は代表取締役社長に就任されたばかりの杉村武宏さんにお話を伺いました。まずは就任おめでとうございます。

 「ありがとうございます。就任後初めての取材で緊張しています。よろしくお願いします。」

 最初に不朽園の歴史について教えてください。

 「初代が門前町大須不老園別家として始めました。そして昭和2年に不朽園を創業しました。しかし昭和19年に戦争で全てを失い、今の場所の尾頭橋に移ったのは戦後で昭和21年のころです。最初の頃はバラック小屋の仮店舗で営業を再開したのですが、食料難で材料が手に入らず大変だったと聞いています。」

 現在、武宏さんで四代目になられるという。最初から最中が人気だったのですか?

 「いえ、創業した当初からぜんざいや羊羹など和菓子全般を扱っていたのですが、この頃から最中の餡の製法に工夫を凝らして徐々にお客様の好評を得ることができました。昭和30年に店舗を新築し、その店構えで現在まで続いております。」
 店構えは昔ながらの木造瓦屋根の建物が建っており、尾頭橋交差点を眼下に望むように不朽園の立派な看板をみることができます。看板商品の不朽最中についてお聞かせください。

代表取締役社長の杉村武宏さん 「最中というのは餡と最中種(皮)だけでできています。それだけにあんばいがとても大切になります。餡は水分を含んでおり、種は乾いています。この二つが合わさると初めはパリッと香ばしく、徐々に餡が皮になじんで一体感のある最中へと変化していきます。うちでよく言っているのは、お客様がお菓子を一個食べて、二個目三個目と手が出る商品を作ることを心掛けています。そのためには糖度が高くてもさっぱりと餡を炊き上げる。最中種も食べた時に歯の裏にくっつかないように、高温でしっかり熱を入れて焼いてもらっています。そして、お客様に詰めたてを召し上がって頂きたく、常に詰めたてをご用意しております。」

 その他にも魅力的な商品がショーケースに並んでいますね。白菜大福というのは?

 「愛知の伝統野菜でもある野崎白菜というのがあって、名古屋市中川区が発祥の地なのですね。その野崎白菜のイベントがあり、その時に開発したもので、白菜を浅漬けにしたものを大福の中に入れています。お客様に大変ご好評で、今では冬の定番商品となっています。」

 小倉トーストも売っているのですか?

 「これはパンではなくて、トーストの形をした四角い最中の皮なんです(笑)。日持ちのする商品をということで、バター風味の最中種にお客様が餡をのせてお召し上がりいただく形になります。新しい名古屋土産になればとおもい考案しました。」

 最後に今後の意気込みは?

 「この度、社長の大役を仰せつかり身の引き締まる思いをいたしております。これからも、会社及び名古屋の和菓子のために努力していく所存でございます。どうぞよろしくお願い致します。」

 若き社長のこれからのご活躍をお祈り申し上げます。

 愛知県菓子工業組合・柘植千晴