神奈川県菓子店

2020.10.16

御菓子司 うさぎや

横浜松原商店街の人気和菓子店

御菓子司うさぎや 横浜駅からバスで15分ほどのところにある松原商店街は、店主が横浜産の野菜や神奈川県や伊豆半島の新鮮な魚介類を自分で仕入れて自分で売るという店が並んでいる街です。そしてその材料で作られた惣菜・漬物・衣類や日用品なども並んでおり松原商店街の内で生活必需品がすべて整う便利な街です。

 第2次世界大戦が終わった後、人々のお腹を満たし生きるために自分たちの手で作ってきた商店街と聞いたことのあるこの町はいつ来ても活気に溢れ、どのお店にも寄って行きたい通りが続いています。

うさぎやの和菓子 そんな気持ちを振り切り歩いていくと「御菓子司うさぎや」が在りました。1964年からこの地で先代ご夫婦が和菓子屋を営み、そこに住む人にも街を訪れる人々にも和菓子を提供してきて、愛されてきた店です。ショーウィンドウには色とりどりの和菓子の真ん中に真っ白くて可愛いうさぎの和菓子が並んでいました。

 現在の店主小野利二さんは2年間の専門学校を終え7年間外で腕を磨き、その後ご両親が待つ「うさぎや」に入り先代と共に盛り上げてきましたが、平成19年に2代目として引継いで今では常時14~15種類、数も種類も季節によって違うお菓子を作っています。私が訪れた時には、店頭にこし餡とレモン味の水まんじゅう・黄な粉味と抹茶味のわらび餅が涼しげに並んでいました。これから秋には桃色の菊の花(煉り切)や羊羹になっていくとの事です。栗は茨城県より取り寄せてその出来具合を確かめながら羊羹や最中の餡子の中に入れています。頂いた羊羹は栗と羊羹が絶妙な甘さを醸し出している優しい感じのする御菓子でした。

誕生餅で1歳を祝う子供たちの写真 ご夫婦とお話をしている間にもお客様は絶えずに何組もご来店になり「よかった!まだ有ったわ」「もう無いかなと思ったけど大丈夫だった」とのお客様の声に、奥様が手際よくお相手をしていました。嫁いできたときはまるっきり素人のお嬢様だったのにこんな風にお客様のお相手ができるのはお義母様(先代の奥様)が丁寧に教えてくださったからと奥様は先代の奥様を偲ばれていらっしゃいました。

 店内の壁には、誕生餅で1歳を祝う子供たちの笑顔や重たくて泣き顔になりながらもお餅を背負い頑張っている子供たちの様子、それを見守るご家族の写真が一杯貼られています。大人になってもこの町での思い出は忘れられないこととなるでしょう。
   
 神奈川県菓子工業組合事務・中山尚子