大分県菓子店

2020.08.19

すずや製菓

常に心がけている消費者目線の商品づくり

庄本剛氏 大分市街地から南へ6キロほどの場所にある寒田団地の中で地域に密着した和菓子屋を経営するすずや製菓の庄本剛氏は、亡き祖母から受け継いだ「良質の品をお求めやすい価格でお届けする」をモットーに地道で手堅い商売をし続けている。

 剛氏は18才の時に大分市にあった九州テクニカル専修学校(現智泉福祉製菓専門学校)で2年間主に和菓子製造を学んだ後、地元の菓子屋に就職し10年間務め、ちょうど30才の時に祖母が経営するすずや製菓に入った。

 すずや製菓は昭和36年に祖父正雄さん、祖母スズコさんが臼杵市にて開業した和菓子屋で、酒饅頭やおはぎ等の朝生菓子と餅を中心に夫婦二人三脚で臼杵の人気店に成長させたが、正雄さんが他界したことで徐々にスズコさんへの負担が大きくなり業務縮小の検討を余儀なくされた。

 そんな中、元々剛氏の両親が共に大分市街地まで時間をかけて通勤していたこともあって家族で話し合った末、昭和60年に心機一転大分市に皆で引っ越すことになり、現在の場所に建てた住居に隣接された程よい広さの工場で無店舗型の和菓子屋としてすずや製菓を再開した。スズコさんは新天地でも変わることなく丁寧に拵えた朝生菓子を安価で販売して近所の人からの口コミで評判が広まり少しずつ注文を増やしていった。

 剛氏が工場に入ってからは既存の商品の味と価格は極力そのままに、食感を時代に合うように改良したり、自動包餡機用の商品を増やしたりして、デパートやスーパーからの注文にも対応していった。
 スズコさんが他界した8年前からは、たまに母親の久子さんに手伝ってもらうことはあるが、基本は剛氏が一人で製造と配達をこなす忙しい毎日となった。

 しかし現在は長引く新型コロナウイルス感染症の影響で行事等の注文が減り、自分の時間が取れる日もあるとのことで、祖母から引き継いだすずや製菓と、その持ち味を守っていくために、この状況が上向きになるタイミングですぐに動けるよう色々と模索中のようだった。

 剛氏がスズコさんと一緒に試行錯誤し人気商品に育て上げた黒糖饅頭に続くすずやの新商品が近い将来、デパート等の売り場に並ぶことを期待したい。

 大分県菓子工業組合事務局長・早瀬大雄