群馬県レポート

2020.04.15

親子孫三世代が楽しめる数少ないイベント

家族クリスマスパーティー

家族クリスマスパーティー 私ども群馬県菓子技能士会(会長風間隆之)では何年も前から毎年年末が近づくと行われる大きなイベントがあります。来場者が取り立てて多いとか、大金を投じた贅沢なというわけではなく、ごく一般的な内々の集いではありますが、毎年それを楽しみにして会員の皆が集まります。12月は仕事が忙しいから、と菓子職人達が少し先取りして催すクリスマス会です。

家族クリスマスパーティー 単なる会員の一親睦行事ではありますが、それは家族へのねぎらいでもあり、決戦前の前夜祭でもあり、また仲間家族と過ごす特別な時間でもあります。老舗の菓子屋の年配店主と、その若夫婦と子供たち、そんな家族三世代が一つのテーブルを囲みパーティーを楽しみます。世代を同じくした年の違う子どもたちが集まってはしゃぎ、その若夫婦たちがお互いの環境を語り合い、大御所たちがそれをながめている。クリスマスパーティーという一見ありふれたイベントではありますが、物売る私達が仕事から離れ家族と仲間と世代と暖簾を超え時間を共有し楽しめる唯一のイベントではないかと思います。

席には美味しいクリスマス料理の他に当然各菓子屋の持ち寄ったクリスマスケーキや甘味処がいくつも並べられ、また手品やパフォーマンスを得意とする会員たちが場を盛り上げる。いくつもの景品が交換され、みなが沢山のプレゼントと笑顔を持って帰る。子どもたちにとって良い思い出となるよう会員みんながイベントを盛り上げております。

お店に戻れば、特注仕事や新作思案、労務や経理を迫られたりと休む時間も憩う場もない私達ですが、けれどこのクリスマス会だけは、クリスマスには少し早いけれど、家族が仲間がみんなが楽しみにしているイベントであり、準備は確かに大変だけれども終われば来年へと継続していきたいと思えるそんなイベントなのです。そうして仲間の菓子屋の子供が年ごとに大きくなり、しばらく見なくなったと思ったら、いつの間にか実家に勤めて帰ってくる、そういった仲間を見るごとに、この会と街の辿ってきた時代を感じます。

会の人数は少なくなりました。みな年を取り、跡継ぎや世代交代で悩むお店も少なくありません。それでもこうしてまた今年もこういった会ができるのは先輩たちが築き上げたものが確かなものであり、故に家業同様未来につなげていかなくてはと思えるのです。課題は山積みです。私達ができることは微力なことばかりです。それでも私は今目の前のこと、お客様が、自分たちの子供が、仲間が喜んでくれることを提供していけば、それが未来へとつながっていくのだと信じています。先人木を植え、後人涼を楽しむ、私に何か後世のためになることを作り出すことはできなくても、伝えることは全力で全うしたいと思うこの頃です。

 群馬県菓子工業組合・江木食品工業株式会社・相川賀保