三重県レポート

2020.03.17

さわってつくってたべる絵本

体験型絵本親子で一緒に和菓子作り

さわってつくってたべる絵本 2019年8月、今までにない体験型の和菓子キット『さわってつくってたべる絵本』をリリース致しました。この『さわってつくってたべる絵本』は、通常の絵本とは違い、絵本の登場人物となって、実際に親子で練りきりを作って食べることができる体験型絵本です。絵本は大人から子供へ読み聞かせることが一般的ですが、『さわってつくってたべる絵本』では絵本のストーリーに沿って、親子で一緒に和菓子作りに挑戦してもらいます。

 この絵本を作ったキッカケは、若い世代の和菓子離れ、そして和菓子自体がますます衰退していくのではないか、という危機感からです。私が子供のころは、おじいちゃんおばあちゃんの家に行けば必ずと言っていいほど和菓子が出され、季節ごとの行事にはもちろん和菓子がつきもの、そんなふうに和菓子は生活の中に当たり前にある存在でした。しかし近年は様々な洋菓子や甘い物が普及し、季節の行事に和菓子を食べる方も減り、若い世代にとって和菓子は遠い存在になっているように感じます。

 和菓子は千年以上の歴史を持ち、時代を超えて受け継がれてきた日本の伝統です。私も受け継いだバトンを後世に繋ぐべく日々和菓子作りに精を出しておりますが、このままではいつか伝統が途絶えてしまうかもしれません。そこで、どうしたらもっと和菓子の良さが伝えられるか?どうしたら和菓子を子供達に楽しんでもらえるか?日常生活の中で和菓子に触れる機会を提供できるか?と考えた結果生まれたのが『さわってつくってたべる絵本』です。

 今回絵本を創るにあたり、子育ての様子を面白おかしく絵日記にして活動されているインスタグラマーのつむぱぱさんにご協力をお願いしました。【体験型絵本】という形にすることで、実際に子供達が和菓子に手で触れて、作って、食べる、その過程の中で、和菓子の文化に触れながら、さらに親子のコミュニケーションも図ることができる。また、食べるだけではなく、目で楽しむことができるのも和菓子の魅力の一つ。その一見めんどくさくもあるプロセスこそ、日本の文化であり、子供も親しみを持って楽しめる和菓子の価値であると思い、「和菓子」として販売をするのではなく、『さわってつくってたべる絵本』として販売するという形になりました。子育てをしている父親の視点からたくさんのアイデアを出して頂き、素晴らしい商品を一緒に作り上げることができたことを大変感謝しています。今回絵本のリリースにあたり、Makuakeというクラウドファンディングにも挑戦したのですが、予想をはるかに超える368名の方からサポートして頂き、なんと1,351,440円ものご支援を賜りました。また、農林水産省の「ありが糖運動」に採択して頂いた他、各種メディアにも多数取り上げて頂きました。それだけたくさんの方に理念に共感して頂けたことがとてもありがたく、身が引き締まる思いです。

 『さわってつくってたべる絵本』をきっかけに、絵本を読んで一緒に和菓子を作るという何気ない時間が、子供にとってかけがえのない時間となり、忙しく過ごすお父さんお母さんと子供の新たなコミュニケーションの一つとなれば幸いです。今後も次々と新しいストーリー、練りきりを展開していきたいと考えています。

 三重県菓子工業組合・㈲小原木本舗大徳屋長久代表取締役・竹口久嗣