新潟県レポート

2020.03.17

若い人向けに「長岡和菓子屋さん巡り帖」を作成

和菓子の魅力を次世代に繋げるために

筆者の描いた表紙・イラスト 私は長岡市内の小さな和菓子屋に嫁いで10年の主婦です。和菓子を作ったことはありません。あんこを炊いたことすらありません。和菓子についての知識もありません。ただ、あんこが、和菓子が大好きです。

 巷の雑誌や広告は、ラーメン特集とパン特集ばかりです。スイーツ特集をしても、和菓子が取り上げられるページは半分以下。和菓子はお年寄りが好むもの、流行に敏感な若い世代の心には響かないと思われているのでしょうか?それでも、東京、大阪、京都などでは、若者の心がときめくような、お洒落で可愛い和菓子屋さんが続々とオープンしています。地元長岡に目を向けてみると…やはり、新しくオープンするのはパン屋さん、パティスリーばかり。では、今ある和菓子屋さんは、ただ地味なだけなのでしょうか…。

 和菓子屋さんに嫁いで良かったことは、他の和菓子屋さんを知れて、お話を聞けることです。実際に他店を訪れ、店主の方のお話を聞きながらそのお店の和菓子をいただくと、職人さんの苦労や想いを感じ、和菓子が一層美味しく、愛おしく思えました。しかし、後継者がいらっしゃらないお店があるのも現実です。冠婚葬祭の和菓子の需要は減り、若い世代が仕事として成り立たせるには厳しい世の中です。

 でも、この職人さんたちの技や伝統が消えていくのはあまりにも悲しいことです。昔ながらの和菓子は、若い目線から見ると、意外にも可愛く映ったりするのです。実際に、20~30代の女性と一緒に和菓子屋さんを取材で巡り、「琥珀糖」「薯蕷饅頭」などに出会うと、「可愛い!」「美味しい!」の声!!やはり、和菓子は地味でお年寄り向け…なだけではないのです。職人さんが真っ直ぐに作った和菓子は、ちゃんと若い世代の心にも響くのです!昔のように、冠婚葬祭で、当たり前に注文をもらえる時代ではありません。時代の変化を嘆くより、若い世代にアピールする力が必要なのです!!

 こんな気持ちで、この和菓子冊子を作れたのは、私が和菓子屋の娘でもなく、和菓子職人でもなく、ただの和菓子が大好きな和菓子屋の嫁だからだと思います。「長岡和菓子屋さん巡り帖」は、長岡支部25件の和菓子屋さんと、3件の関連業者さんの協力のおかげで、とても読み応えのある内容となりました。各店個性のある和菓子が並ぶページは、和菓子好きにとっては夢のようです。

 若い女性から聞いた、和菓子への率直な意見に対するQ&A、職人さんが教えるあんこの炊き方、12か月四季折々を和菓子で巡るページなど、店舗情報以外にも楽しめる情報を盛り込みました。

 この冊子は、昨年10月に、県菓子工業組合長岡支部で5千部作り、和菓子店や市内の公共施設などに配布しました。和菓子の魅力が次世代に繋がってくれたらと願います。

 そして、全ての和菓子職人さんと和菓子を支える人々の仕事に、心から敬意を払います。

 新潟県菓子工業組合長岡支部・かさはら菓子店営業・販売・笠原幸恵