熊本県レポート

2019.11.18

㈱お菓子の香梅西原工場完成

熊本地震から3年半

完成した香梅西原工場 去る10月7日に㈱お菓子の香梅の阿蘇西原工場完成記念内覧会が開催されました。

 2016年4月14日と16日におきた熊本地震で甚大な被害を受けてから3年半ぶりの工場の完成でした。

 ㈱お菓子の香梅は熊本のお土産として全国的にも有名な「誉の陣太鼓」を作っている、昭和24年開業の熊本を代表する菓子メーカーです。

 1984年にお菓子作りに必要な上質な水を求めて西原に工場を建設し生産拠点となっていました。その工場が熊本地震で被災し、身の丈ほどもある製餡の釜が割れ、ガラスは散乱、天井は落ち、水が吹き出しガスは漏れ、生産ができる状態ではありませんでした。当面、従業員は出社させず管理職が最前線に立ち、まずは「誉の陣太鼓」の生産ラインの復旧を最優先としました。建設関係の専門業者を待つ余裕もなくケーキを生クリームでナッペする技術を生かし洋菓子職人が左官仕事をし、ガス会社勤務の経験のある工場管理課の課長が配管を直し、ものづくりに携わる技術集団の力が発揮されました。

 西原工場の完成時に生産ラインをプランニングした「生き字引」である製造技術顧問も山口県から駆けつけ修理を施し、5月11日には岐阜の水槽製造メーカーよりタンクが手配できました。

 しかし直営店や空港や百貨店の売り場では在庫が尽き商品が並べられず休業状態で、復旧に携わる一部を除き自宅待機が続いていましたが、社長は5月12日に約380人の社員に雇用維持を約束しました。

 そこから1歩ずつ復旧が進み工場内に屋根と壁を作り、被災から2か月後に「誉の陣太鼓」6か月後に「武者がえし」の生産が再開しました。販売再開後、陣太鼓はすさまじい勢いで売れ、陣太鼓のすごさを再認識しました。

 それからさらに3年半後の工場完成となりました。

 新しい工場はラインの一部を除き新しい機械を導入しました。工場見学やお菓子作りの体験もできます。主力製品の他にも様々な種類の和洋菓子が阿蘇の大自然に恵まれた工場の中で作られています。

 休業中も陣太鼓用の小豆で被災者にぜんざいを振る舞っていたように常に「お菓子は平和の使者」の精神が息づいていました。

 熊本県菓子工業組合事務局・野田尚美