熊本県菓子店

2019.06.18

地元に根差した まんじゅう乃池田堂

「常在菓道」の心得

まんじゅう乃池田堂 玉名市は、熊本県西北部に位置し、天水町はその中でも、南西部にある町です。

 古くからみかんの栽培が行われ「みかんの町」としても知られており、ゴールデンウイーク頃にはみかんの花の香りがただよいます。また明治30年には夏目漱石が小天温泉に行き、そこを舞台に小説「草枕」が書かれたと言われています。

 「まんじゅう乃池田堂」はそんな天水町小天にあるおまんじゅう屋さんです。三代目にあたる池田真規さんの曽祖父は、もともとは建設業を営んでおり、近くにお菓子屋さんがないという事で一代目にあたる祖母が昭和59年に創業しました。三代目池田真規さんも地元の工業高校を卒業後他の仕事に就いたあとで12年前に「まんじゅう乃池田堂」でお菓子作りを始めました。

池田真規さん 自家製餡で作る甘酒まんじゅうといきなり団子は着色料などの添加物を一切使わない無添加にこだわっています。パッケージやのれんやのぼりなどのデザインも真規さん自ら手がけています。地元に根差したお菓子屋さんで、店売りの七割のお客さんが地元の方です。店売りの他にも、入学式や卒業式、法事、などたくさんの注文がはいります。最近では少なくなりましたが「お田植えまんじゅう(田植えのお手伝いの方に配るまんじゅう)」なども昔は多かったそうです。

 また、現在放映されているNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公金栗四三さんは玉名の出身で、玉名市には「いだてん大河ドラマ館」があります。金栗四三さんは甘いものが好きだったと言われていて、「まんじゅう乃池田堂」でも金栗四三さんを印刷した特別パッケージの甘酒まんじゅうやいきなり団子を「いだてん大河ドラマ館」で販売しています。金栗四三さんの誕生日には保育園にまんじゅうを配るなどの活動もしました。

 「まんじゅう乃池田堂」の手作りののれんには「常在菓道」と記されています。これは三代目真規さんが上杉謙信の「常在戦場」(いつでも戦場にいる心構えで事をなせという心得を示す語)にあやかって書いたもので、この心構えを忘れず今後も地元に根差したお菓子屋さんを続けて行きたいと語っていました。

 熊本県菓子工業組合事務局・野田尚美