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組織の力・新しい挑戦!

地域の活性化、菓子文化継承のために

PRパッケージ 新潟県上越市の直江津地区は「北前船」で栄えた港町であり、戦国の英雄上杉謙信公の所領である『越後』の国府がおかれた歴史・文化のある土地柄です。それに伴い、昔ながらの菓子文化も地域に根付いているため、多くの菓子店が残っています。

 ただ、浜っ子気質なのか、切磋琢磨しながらも、同業ライバルでありながら仲が良く、お互いに認め合い・時に助け合うという間柄でもあるのが特徴です。それで組合員数が減少した今に至るまで、直江津菓子組合の若手中心の「直江津菓子研究会」(以下 菓子研)という組織も本会と並行して活動し続けています。菓子研では基本的に昔から、個店の技術向上のための講習会や情報交換の機会、より一層の親睦を図るための懇親を活動の中心としていました。

直江津千両箱 ただ厳しい経済状況の中、他の団体と同様に組織に在籍する意義を直接的なメリット・デメリットで判断する風潮もあり、加盟店も減少しておりました。そこで折角の「集団の力」を組織として活かすことが出来ないかと考え、平成26年7月には、地域の節目である「高田藩開府400年」のイベント時に菓子研加盟店11店舗の自慢の商品を各店1個ずつ詰め合わせた「直江津千両箱」を開発しました。またその取り組みをきっかけに、イベント参加の経験の無かった「仲間」にも自店から外に出て「売りに行く」「PRする」という経験をしてもらいました。同業他社が力を合わせて、商売すること・職種の文化を守ること・地域の活性化を目指すこと、他には無いこの取り組みの意義を認めていただいたからこそ、様々なマスコミ媒体にも取り上げていただき、イベント当日は開始直後に完売。購入希望の多くのお客様にお叱りを受ける結果となりました。

 実は元々、私自身の構想にはこれをきっかけに様々な活動を展開していこうという考えがあり、その後平成28年3月には、地元の直江津駅を含むJR東日本の信越本線の区間が経営分離し、北陸新幹線が開通することが決まっていました。「鉄道の街直江津」にとっては、大きなダメージとなります。ただ暗い話題だけではなく、平成30年6月には、マゼランペンギン施設飼育数世界一を誇る「上越市立水族博物館うみがたり」の開業も控えておりました。

 この地域の変化をチャンスに変えるべく「歴史の街」「鉄道の街」「海の街」それぞれ地元「直江津」をPRする詰め合わせパッケージの開発とイベント参加を会員各位に提案した所、成功体験の効果もあり全面的な賛同・協力のもとに多くの成果を上げて参りました。

 現在は会員提案により、のぼり旗やイベント時のコスチュームを作成するなど、活動をより自発的に盛り上げる機運が組織として醸成されてまいりました。個々の力は小さいかも知れませんが「地域」・「組織」の力を集結することにより、多くの方に喜んでいただける活動が出来ると信じて、直江津菓子研究会はこれからも進んでまいります。

 新潟県菓子工業組合直江津支部組合員・重原稔

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