埼玉県菓子店

2019.04.15

熊谷市 梅月堂

妻沼聖天山お開帳

梅月堂の菓子 今回は熊谷市の妻沼聖天山門前で開業されている梅月堂さんを紹介します。妻沼聖天山は4月16日から22日まで23年ぶり、国宝指定されてからは初の本尊お開帳を行います。大変な賑わいが予想されます。

 妻沼聖天山は妻沼を本拠地とする平氏の別当斎藤実盛が妻沼の総鎮守として創建しました。妻沼は平成の大合併で熊谷市となりましたが元々は利根川に沿った海運で栄えた場所です。実盛は平家物語の英雄で武士の鑑とされるダンディで有名な武将です。後々まで松尾芭蕉の句に詠まれたり歌舞伎実盛物語や戦前の尋常小学校唱歌で歌われたりされています。年配のかたには懐かしいロカビリー全盛期の整髪料メヌマポマードは実盛のダンディさをイメージした商品です。

 阿藤重信店主に聞きました。「お土産で一番売れている商品は『あげまんじゅう』です。落ち着いた甘味を特徴付ける沖縄県産黒糖と北海道十勝産小豆の国産原材料は欠かせません。揚げ油にも米油を使って油臭さを出さないようにしています。1個110円ですが繰り返し買われるお客様も多く数十個単位で買っていかれるお客様もいます。ギフト用にお勧めしているのが山芋を練りこんだ『やまいもサブレ』です。こちらは第21回全菓博名誉会長賞をいただきました。もう一つは同じく山芋を主原料に柔らかく焼き上げ餡バターをサンドしだ『聖天太鼓』です。こちらは第20回全菓博大賞をいただきました。当店は地産地消を推進し山芋・鶏卵・地粉は地場の熊谷産を使用しています。定番商品に小倉餡を使った『縁結び最中』があります。聖天様は縁結びの神様で婚活イベントを定期的に開いています。その時イベント用に聖天様に最中をご利用いただけています。また黄味餡の焼き菓子に地元出身の偉人荻野吟子さんのイメージで『花埋め』と名付けてみました。妻沼のお土産にいかがでしょうか」。息子の阿藤正則さんからは「参拝後に気軽に入れるお休み処として楽しんでいただきたい。」との事です。

 妻沼には山芋・にんじん・ほうれん草等を材料にした『野菜ようかん』という特徴の濃い地元周辺では有名な菓子があります。以前は梅月堂さんも看板商品でしたが現在は製造を休んでいます。町の鎮守さま妻沼聖天山が平成24年に国宝指定されてから客筋と客数がガラリと変わり、観光客には癖が強い菓子より万人向けの菓子のほうが買い求められるそうです。関東にあっては珍しい平氏の地であり、また妻沼にはグライダーのメッカ妻沼滑空場が有ったりと個性の強い場所です。野菜ようかん共々またの機会に紹介したいと思います。

 埼玉県菓子工業組合副理事長兼専務・中島祥夫