各地の菓子店探訪
徳島県菓子店の投稿

御菓子処 紅葉屋

「五代目らしく」

男狭磯 今回は、来期より全菓連青年部中四国ブロック長でご尽力いただきます岡澤孝浩さんの店舗「御菓子処もみじや小松島店」を紹介させていただきます。もみじやは徳島県阿南市に本店がある、明治4年創業の老舗です。もみじやは創業から現在まで色んなスタイルに進化してきました。創業時は煎餅屋、二代目より生菓子と食堂も始め、三代目はパンを追加、四代目は洋菓子を始め、現在五代目は菓子店舗の中にベーカリーカフェを併設した小松島店を出店と…時代にあったスタイルに進化しております。代表的な菓子「男狭磯」は、おさしと読み、日本書紀に出てくる阿波出身の英雄で、男の海女さんだそうです。他にも「浮亀最中」「阿波太鼓」など、地元をモチーフにしたコンセプト、こだわりとしては、阿波三盆や地元の生産者が作った農産物を使うなど、地域の素材を生かす菓子作りで、和洋菓子パンとバラエティーに富んだ品揃えです。店内には桃の節句コーナーがあり、お聞きしたところ…徳島は桃の節句端午の節句がとても賑やかな土地柄だそうです。初節句のお返しには、赤飯・菱餅・板カマ(装飾が施された上等な蒲鉾)の三点が基本で、ひなあられ・雛ケーキも付ける方もおられるそうで…一組あたり5,000円から7,000円くらいの組み合わせを贈る習慣があるとお聞きしました。

三角パン 焼きたての香り漂うベーカリーコーナーでは、食パンや調理パン50種類以上の品揃えで、中でも昔ながらの三角パン(スポンジ生地をジャムと菓子パン生地ではさんだ物)やメロンパン(一般的な物ではなく、形がアーモンドパンの形で、白あんが中に入ったもの)は人気で、根強いファンが多いそうです。イートインスペースでは、月に一度のスイーツバイキング、お菓子教室なども開催するそうです。ここの店舗は「もっと気軽に立ち寄れる菓子店にしたい」という想いで小松島店の出店を決めたそうです。

 最後に今後の展望は?とお聞きしたところ「薄れつつある古くからの習慣や、しきたりといった地域の文化を菓子教室で伝えておりますが、自分自身では限界がある。小学校と連携したり、全国和菓子甲子園の関わりなど、ブロック長を機に組合活動でも積極的に動いていきたい」と仰ってました。今回もみじや小松島店さんの取材させていただき、時代にあった進化で地域から必要とされるコミュニティスペースになっていく事が菓子店舗に求められている事なのかと感じました。

 全菓連青年部中四国ブロック長・田村正太郎

店舗データ

12面ブロック長③有限会社 紅葉屋
〒774-0030 徳島県阿南市富岡町内町224
TEL:0884-22-0115
FAX:0884-22-0151
定休日:日曜日と第3火曜日
   (小松島店は火曜日のみ)