福岡県レポート

2018.12.18

「筑後七国和菓子博」開催

映画上映や和菓子体験講座で盛況

筑後七国和菓子博 11月3日・4日汗ばむ中、初めての「筑後七国和菓子博」なるものが開催されました。

 筑後七国とは、福岡県南部筑後地方のうち九州新幹線筑後船小屋駅を中心地点として5市2町(大川市・柳川市・大木町・筑後市・みやま市・広川町・八女市)を称する新しい名(名称)です。

 昔、海外から渡った砂糖を長崎から、大阪・京・江戸に運ばれた「シュガーロード」は長崎―小倉と結んだ長崎街道が有名ですが、砂糖の一部は当時物流を担った有明海やそれに注ぐ筑後川・矢部川などの水路で運ばれたのではないでしょうか。昨年9月から1月にかけて県の職員の方の調べによると、筑後南部にある和菓子店73店の分布状況は、水路の中継点となる街道筋や城下に集中しており、一方農村地帯にはほとんどないとの事でした。福岡の小麦は北海道に次ぐ全国2位の産地で、筑後地方では昔から栽培されており、かすてら饅頭、丸ぼうろ、カステラ、黒棒、小麦煎餅など、小麦のお菓子が数多く作られています。

 さて、会場である九州芸文館の中では、映画「あん」の上映や出演者とのトークショー、和菓子店主による1日目「かすてら饅頭」、2日目は上生菓子の和菓子体験講座。作り立ての饅頭の食感に驚き、上生菓子の形づくりに四苦八苦。皆さん、隣の人の作品と比べて手直しに余念がありません。できあがった作品にニッコリ。

筑後七国のお菓子 外では約10店舗の和菓子屋さんが出店。上生菓子や酒まんじゅう、小麦煎餅、かすてら饅頭、羊羹、黒棒、飴屋など地元のお菓子が並びました。映画上映後、たくさんの人が出てきて、それぞれの店舗の前に並び、袋をいくつも持って帰る姿は笑顔でいっぱいでした。閉店前に売り切れという嬉しい報告もいただきました。

 全国的に有名な名産はないかもしれませんが、農作業や地域特有の重労働に求められた「甘いもの」の供給や、地元の冠婚葬祭・年中行事などの進物を担い、子供のころからずっと存在する街角の和菓子屋さんばかりです。

 ただ、残念なことに、結婚式場、葬儀場が整備されると和菓子店へのお菓子の注文が減ります。年中行事の際の和菓子のふるまいも減りました。地域密着経営だった和菓子店が密着できなくなった。少しずつ和菓子店が減ってきている原因の一つでしょうか。

 しかし、そんな中、今でも柳川地区には寺が多く、熱心な仏教徒が多い→そのため法事などをきちんとする。→来客が多く、ふるまう菓子が必要となります。→そうすると和菓子屋の仕事が増える。地域が和菓子店を支える構造みたいなものが、まだ残っているようです。このサイクルがいつまでも続き、小さな和菓子屋さんが元気でいてほしいです。

 「第一回筑後七国和菓子博」開催されるにあたり、県の職員さんや芸文館の皆さんに多くの情報をいただき、ご尽力いただきました。ありがとうございました。

 福岡県菓子工業組合事務局・村上豊美