栃木県菓子店

2018.11.16

菓心庵 高林堂

経営危機と失敗から生まれた『宮のかりまん』

高林堂 宇都宮といえば餃子! そんなイメージを強く持っている方も多いかもしれません。餃子ばかりがクローズアップされがちな宇都宮ですが、実は匠の作る菓子激戦区でもありました。

 今回訪れたのは、宇都宮市街の中心にある二荒山神社の近くに本店を構える老舗和菓子店。明治から続く菓心庵高林堂三代目店主の和氣康匡さんにお話を伺いました。

 今から十二年前、創業百二十年を迎えた頃、経営の危機に陥っており、和氣さんは修行から戻り、大変な苦難に直面していました。お店も家族も支えなければならないのに給料はゼロ「何か看板商品を開発しなければ」という思いで毎晩遅くまで試作に明け暮れる中、失敗した饅頭を揚げてみると「これはいける!」インパクトのある黒糖風味で外はカリカリ、中はしっとり、更なる改良を重ね『宮のかりまん』が誕生しました。当初は老舗高級和菓子店だけにお客さんからは「なにこれ?」という反応でしたが、揚げたてをとにかく試食させることで次第に人気となり、発売から三ヶ月で売上の半分を締めるほどに、十二年たった現在では毎日六店舗で完売してしまうほど、また都内大手百貨店や通販でも販売する人気商品へと成長していったそうです。

かりまん そんな大ヒット商品を生み出した和氣さんですが、海外でも活躍の場を広げ、昨年はシンガポールやイギリス、今年三月には長崎~上海間を航海する豪華客船クイーンエリザベスで日本の伝統を伝えるため、上生菓子のパフォーマンスやワークショップを行いました。海外の方はリアクションが大きく賑やかで、大変やりがいがあったそうです。また来年もやりたいと現在英語を必死に勉強中とのことでした。

 宇都宮から世界をまたにかける若き匠和氣さんに今後も更に期待できそうです。

本店住所:栃木県宇都宮市二荒町四―二

電話番号:028・633・4946

 全菓連青年部関東甲信越ブロック長・木内政和