栃木県レポート

2018.11.16

豪華客船クイーンエリザベス号に和菓子4000個以上納品

船内で実演パフォーマンスも

メインロビーで多くの乗船客を前に上生菓子のパフォーマンス 2018年3月15日、大阪港へ着いたクイーンエリザベス号に4000個を超える和菓子を納品致しました。クイーンエリザベス号初となる和菓子乗船とのことで、大変光栄に思います。

 クイーンエリザベス号に毎年日本酒を乗せている兵庫の酒造会社明石酒類醸造株式会社。

 グローバルブランドアンバサダーの小松美保さんとクイーンエリザベス号を所有するキュナード社は、同船が日本を周遊する期間に行う「明石鯛プログラム」を企画しており、日本酒と和食とのペアリング企画のひとつにお声がけいただきました。余談ですが、小松さんとは昨年9月に私がイギリスのバースで上生菓子のパフォーマンスをさせて頂く機会があり、その会場にいらしていたことがきっかけでこのご縁に繋がりました。

 船内にある2000程の客室に置く菓子や、キュナード社オリジナルの「お土産ボックス」、和のアフタヌーンティー、バーで提供する日本酒×和菓子、上生菓子ワークショップとパフォーマンス等、持ちかけられる企画は多岐に渡るものでした。

 商品の提案から決定までにはイギリス日本間で何度も話し合い、非常にパワーがかかりましたが、それも全て、キュナード社の「Our Customer」を大切にする姿勢を強く感じました。

メインロビーで多くの乗船客を前に上生菓子のパフォーマンス 乗船客の多くが欧米人であるようで、選択される和菓子の多くが見た目は日本らしく、味は少し洋風なものが多く、また、そのような和菓子をリクエストされました。例えば、客室の菓子「Cunard Mochi」は、抹茶と桜の2粒のお餅で、抹茶の餅にはチョコ餡を使用しましたし、お土産ボックスに作ったキュナード社の焼印いりどら焼は、中に抹茶クリームをサンド、和のアフタヌーンティーでは、様々な和菓子を提供する中でお客様の席前で鋏菊の実演を行いましたが、やはり中餡にチョコ餡を選択されました。

 3月24~26日の長崎―上海間では私も乗船し、上生菓子パフォーマンス、ワークショップ、和のアフタヌーンティーと様々なことをさせていただきました。メインロビーでの上生菓子パフォーマンスは多くの乗船客にお集まりいただき、同時にキュナード社オリジナルに作った商品やお土産ボックスを販売したりと、大変賑やかに行われました。

 2年ほど前から、海外での催事やパフォーマンスをしておりますが、これに何の意味があるのだろう?と思われるかもしれません。和菓子の美味しさ、美しさを発信したい思いは当然のことながら、それ以上に「和菓子職人」という仕事が日本の子供たちの憧れになってほしい、という気持ちが強くあります。この仕事は古くを伝承しながら新たな価値を生み出していく、素晴らしい仕事だと思います。私はとてもやり甲斐があると感じています。現実は人口減少による市場の縮小、人手不足、小豆の価格高騰、日々頭を悩ませることだらけです。それでも和菓子屋に、和菓子職人に明るい未来があることを信じて、可能な限り活動していきたいと思います。

 栃木県菓子工業組合菓子づくり研究会会長・和氣康匡