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松本飴プロジェクト

飴業界の活性化に向けて!

松本飴プロジェクト 長野県の真ん中、松本市。毎年一月の第一土日には「あめ市」という冬の伝統行事が開催されます。

 上杉謙信が武田信玄に義援の塩を贈ったとされる、いわゆる「敵に塩を贈る」の故事に由来して始まった塩市。それがいつしか「あめ市」に変わり、300年以上経った今は20万人以上もの方が訪れる盛大なイベントとなっています。

 明治期には市内に20件以上もの飴屋があり、飴の生産量が全国一を誇った時期もあったといいます。城下町として様々な文化が醸成されてきた松本は「飴の街」でもあるのです。

 そして現在、松本市内には当時からの老舗飴店は3軒しか残っていません。あるいは3軒も、と言うべきでしょうか。

 新橋屋飴店(創業から150年)、飯田屋飴店(同222年)、山屋御飴所(同356年)の3軒はそれぞれの暖簾を守り、ライバル関係にありながらも松本の飴の伝統と文化を継承して来ました。

 今年になり、松本の飴の在り方について3者で意見交換する機会がありました。そこで「地元の方を含め、観光客の方も松本土産として飴を購入されるケースは多いが、松本と飴との密接な関係・文化を知らない方も多い」という、実は三者共通の思いを持っていることがわかりました。ライバルとはいえ松本の飴を愛する気持ちは同じ。「もっと松本の飴文化を知ってもらいたい」と、3社協業しながらの認知活動と業界の活性化を目的に「松本飴プロジェクト」を始動させたのです。

 最初にやりたかったのは敬老の日と飴を関係付ける活動です。飴は引っ張ると伸びることから、子供の長寿を願う縁起物として定着した七五三の千歳飴。ならばお年寄りへの長寿の願いも同様であろう、と「敬老の日に飴はいかが」と地元ローカル紙を通じて発信し、各店商品の中から歯に付きにくく健康に良い落花生入りの飴を相互販売したのです。他店の商品を並べて売るのは互いに初めての試みではありましたが、各店を訪れたお客様の反応は良好で、大きな手応えを感じる結果となりました。

 今後はお年寄りにも食べやすく、喜んで頂ける飴を共同開発することも検討しており、バレンタインデーのチョコレート、節分の恵方巻きのように、敬老の日はお年寄りに長寿の象徴である飴を贈るという風習を健康寿命延伸都市を目指す「飴の街松本」から生み出したい!と、プロジェクトメンバーは意気込んでいます。

 まだまだスタートしたばかりのプロジェクトですが、今回のような「各地の活動が全国的な飴業界の活性化に繋がれば」との思いから、共に活動して頂ける仲間を募集しています。賛同して頂ける飴屋さんがいらっしゃいましたら、ぜひ一緒に活動して頂けませんか?ご一報お待ちしております!

連絡先:山屋御飴所 太田
Tel:0263―32―4848

 長野県菓子工業組合・山屋御飴所・太田喜久

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