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HACCP義務化に対する組合の対応について

半年に亘り検討 2020年をメドにすべての食品加工の事業者にHACCP導入・義務化が行われる見通しになりました。福島菓子協同組合では厚労省東北厚生局食品衛生課、日本食協、県食品生活衛生課、県食協と協同で組合員店舗と協同で小規模菓子店向けにHACCPをどのように導入し、大きな時間的・労力・コストの負担を抑え継続できるかを福島県地域連携HACCP導入実証事業で半年に亘り日本食品衛生協会学術顧問の荒木恵美子先生を中心に検討してきました。まず、餡とどら焼、練り切り菓子の製造工程を表にし、材料の仕入れ・製造手順・保管・管理・製造設備の確認、それに伴い想定される危害分析を行い、それに基づき、仕上がり温度・冷却時の温度変化・保管時の温度・水分活性など科学的方法に基づき安全性の確認を行いました。どら焼き、練り切り製品でも同じよう科学的方法に基づく計測検査を行いました。結果、お菓子そのものには何も問題がないことが確認されました。小規模店の場合、数人で作業をしているためいつもと違う状況に気づき易いこと、基本的にきちっと糖と火の入っていない餡は商品として存在しないこと。和菓子の場合伝統や文化の側面を大切にしなければいけない事など改めて科学の力を借りることにより、以前から行っていた菓子作りが衛生的に問題ないことが確認されました。

やってみようHACCP! 結果、一般的衛生管理を徹底すれば多くの危険を回避できることがわかりました。荒木先生の指導により始業時・就業中・終了時の確認項目をリスト化し確認したらボールペンなど消せない筆記用具で記録する。問題があったときは正確に記録、対処法など記録するなど、実際の現場で実施可能な記録方法を作りました。

 この記録は問題が発生した場合の解決法の資料になり、日々の記録により衛生管理などの意識が変わり、より安全なお菓子の製造・販売にも繋がり、行程を見える化することにより生産性が上がるなど、メリットが報告されております。また今後、営業許可の更新などの場合、記録の提示を求められることがあることが予想されます。

 今回の事業の結果は今年3月7日に福島県主催で「やってみようHACCP!」と題した約200名程参加したセミナーで報告されました。

 尚、この手法はスタートの手法で途中で改善・変更など、保健所などの指導・協力を受けながら継続することが大切と考えられています。

 福島菓子協同組合代表理事・菅野嘉春

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