埼玉県菓子店

2018.08.20

熊谷市 和菓子処かんだ和彩

和裁店から和菓子店に転業

「甘夏餡どら焼き」と「わらび餅」 今回は熊谷市のかんだ和彩さんを紹介します。同店は創業二年半と大変若い店ですが、全菓博伊勢で外務大臣賞を受賞されました。無名に近い同店ですが是非どんなお店か知りたいとの要望がありましたので紹介します。お話を神田店主に聞きました。

 ―菓子の世界に入ったきっかけから教えてください。―「生まれも育ちも熊谷市ですが地元の高校には行かず、全国でも珍しい総合選択制の普通科高校と耳慣れないシステムに憧れて生徒数2,400人のマンモス校県立伊奈学園総合高校に越境入学しました。元来が皆と同じに画一的な行動をとるのが嫌いな性格なのでサラリーマンには絶対なりたくないと思っていました。家業が和裁店であり親戚も床屋や欄間職人等職人業が多いことから自分も何かの職人業に就きたいと常日頃思っていました。高校卒業前にテレビで工芸菓子を見たのがきっかけで菓子学校に進み、TVチャンピオンにもなった千葉県『菓匠白妙』で5年修行させて頂けました。その後創業2年目だった京都の菓子店で職人を11年やり、平成27年11月に37歳で菓子店として独立開業しました。」―菓子業界内で見ると比較的年齢が行ってからの独立開業と思われますが―「30歳位の時大変なスランプに陥り仕事が手に付かず人間関係も上手く行かず何をやっても駄目で菓子の世界を諦めようと思った時期がありました。ある時ふっと初心を思い返して菓子への情熱が徐々に戻り、自分で自分の仕事に納得出来る自信がついてから独立開業しました。これからは自分の店が地元熊谷市民に愛されてくれれば良いなと思っています。」

 現在一番売れている商品は関東の四玉で無く関西風に五玉にした串団子です。次いで日本一暑い熊谷市にあっては冷やして食べる水羊羹と蕨餅が通年通して二番人気です。職人歴の長かった店主によると菓子の技術は盗み盗まれるのを防ぐ物とだけ教わり続けてきたそうですが、自店を持って自分独自の自分らしい菓子の研究も始めました。第一弾としてどら焼きに力を入れています。皮の配合にメープルシロップを足し甘味値を上げてみました。定番の粒餡ともう一種季節ごとに変わり餡どら焼きを作っています。夏は粒餡に甘夏を挟んで甘夏餡どら焼き。秋は林檎餡・冬はさつま芋をサンドしています。粒餡どら焼きが120円、変わり餡どら焼きが140円とゆくゆくは看板商品に育ってくれればとの事です。蕨餅も手土産用に買って頂きたく一人前を小箱に入れて350円で用意しました。まだまだ拙いお店ですが、店主となっても菓子職人である事にこだわり続けたいとの事です。

 埼玉県菓子工業組合副理事長兼専務理事・中島祥夫