広島県菓子店

2018.08.20

島ごころ

生ケーキをやめた、島のケーキ屋さん

自社で作り出したレモン原料の製品ケーキ屋さんの化粧品って何??
えっ?ケーキ屋さんがサイダー?
なんで?ケーキ屋さんがビール?

 広島県尾道市瀬戸田町。日本のレモンの25%のシェアを誇る、日本一のレモン産地です。

 島ごころはこの島に2008年、夫婦2人で開業した、ごくごく普通のケーキ屋さんでした。

 オーナーシェフの奥本隆三は神戸で8年間洋菓子の修行をし、地元・瀬戸田町にUターンして開業。

 開業した当初は、「神戸のおいしいお菓子を地元瀬戸田の人に味わってもらいたい」との想いで、ロールケーキやプリン、シュークリームなどを売り出したものの、ほとんど売れませんでした。

レモンの果皮部分を利用したビール そこでお客様に言われた、痛烈な一言「瀬戸田のもの、使ってくれないと、みやげにもならんで」。そこで、国産レモンは果皮ごと食べれる、という特徴を活かした、レモン果皮のみを使った、香り高いレモンケーキを作り上げました。

 地元のレモンを一から切り分ける、手間ひまかかるレモンケーキでしたが、島内の菓子店では初めて高速道路SAや、広島駅、地元百貨店にも卸すようになり、広島県内では国産レモンケーキのパイオニアと言われるように。絶好調なレモンケーキの生産を増やすために、当初作っていたロールケーキなどの生菓子をすべて生産中止し、ほぼレモンケーキ1本の生産体制にしていきました。

レモン果汁を使ったサイダー 順調に売上を伸ばしていた矢先、大小問わず、各メーカーがこぞって国産レモン商品を市場に投入。「レモンケーキはもういいよ」という取引先の声もあるなど、売上に陰りが見えはじめました。ここで、普通の菓子屋なら、他の柑橘を使ったお菓子を作ろうか、商品の味のバリエーションを増やそうか、と考えるところですが、島ごころは、「もっと自分たちにしかできない、レモンを突きつめよう!」という方向性を選択。

 レモンケーキはレモン果皮しか使わないので、果肉を搾って果汁をつくり、レモンジャムを作る工程から発生する湯気を蒸留して、香料であるエッセンシャルオイルを抽出するなど、菓子屋の範囲を超えた発想で新商品にチャレンジしました。

 自社で作り出したレモン原料を活かし、エッセンシャルオイルを使ったハンドクリーム、レモン果汁を使ったサイダー、さらには、レモンケーキに使わない果皮部分を利用したビールを共同開発するなど、ケーキ屋さんの領域を超える商品群を次々と生み出していったのです。

 最近では7月豪雨の影響を受け、断水によって13日間の製造停止を余儀なくされましたが、新しく開発したこれらの商品群が売上の減少を最小限に食いとどめてくれました。7月23日現在は、観光客激減による影響が最も厳しく、皆様からの応援を必要としています。この記事を読んで、ぜひ応援してみたい、という方はインターネットで「島ごころ」と検索の上、ネットショッピングでお買物して頂けると、とても励みになります。皆さま、どうぞ応援よろしくお願いします。

 広島県菓子工業組合青年部・山本副会長