鳥取県レポート

2018.08.20

改名

鳥取県菓子工業組合理事長 小谷 治郎平

 誰でも思いつけば改名できるというものではない。伝統芸能や商売上で襲名した実績がある場合。永年通称名として使用した場合。書きづらく読みづらい(奇名、珍名を含む)場合。性同一性障害による性別と名の不一致。結婚などで家族と同姓同名になった場合。名による、いじめ等の差別があった場合。神官や僧侶に就任した(退任した)場合。などの条件を満たしていなければ改名することはできない。

 改名を考えておられる方のご参考までに、一連の手続きを説明しておく。家庭裁判所に「名の変更許可申立書」を提出し、それに「申立人の戸籍謄本」と「名の変更の理由を証する資料」を添付する。

 私は「五代目」だから、申立書には、二代目・三代目・四代目が改名した年月日を記載し、それぞれの原戸籍を添付した。裁判所に収めた費用は印紙800円と切手代82円(1500円程度の切手をおさめたが、未使用の切手は帰ってきた)。

 改名を認められるまで長い時間がかかるのかと思っていたが、意外や意外、一週間で許可証(審判書)が届いた。

 審判書には、「上記申立人からの名の変更許可申請事件について、当裁判所はその申立を相当と認め、次のとおり審判する」。主文「申立人の名「寛」を「治郎平」に変更することを許可する」と記されていた。法廷に召喚されることもなかった。

 あまりの速さに驚いたが、それも前例があるからだと分かった。前例のない改名は難しいようだ。ある老舗のお茶屋さんが、亡くなった父上と同じ名に改名しようとしたところ、記事や広告や年賀状の受け取り等々、たくさんの証拠を提出するよう求められ、高さが50センチにもなる書類を集めて、ようやく認められたというから驚きである。

 鳥取県菓子工業組合理事長・小谷治郎平