各地の菓子店探訪
宮城県菓子店の投稿

㈲大黒屋製菓

郷土食かな、「がんづき」って

㈲大黒屋製菓 仙台駅の東南に連坊商店街がありその一角に㈲大黒屋製菓さんがあります。創業66年の和洋菓子店で黒田昌稔さんが3代目を継承しており叔父さんの話ですとオート三輪で昭和28年頃は配達に仙台の奥座敷秋保温泉まで行ったそうです。

 当初は、せんべい、駄菓子、あめ、落雁、アイスクリームなどいろんなものを売っていたそうです。昭和40年代~50年代の大黒屋製菓は卸業の全盛期で職人さんも8人いたとのこと。

がんづき 本人が東京の洋菓子店で洋菓子、パン作り修行後、21歳の時に研修でベルギー、英国、北欧などを回り見聞を広め、黒田さんが店を継いでから洋菓子とパンを合わせて60種類を常に店頭に並べてあるそうで、昔からの地域の行事も継承しつつお客様を大切にされているのが伝わってきました。

 東日本大震災で店舗に影響がでておりましたが、道路の拡張などもあり数年前に大通りに面した交差点の所に新店舗をかまえたそうです。現在はこじんまりと昌稔さんを入れて4人でお菓子作りをしているとのこと。

 中でも現在まで残った「がんづき」は、ファンが多く、売れ筋商品のようです。

黒田昌稔さん 小麦粉を材料に表面にはふんだんに黒ゴマ、中にはクルミが入っている。蒸し器から出すと甘く香ばしい匂いを立ち上らせ、表面は赤ちゃんのほっぺのようにみずみずしい。手際良く取り出しては水分を飛ばし、切っていく。年季が入ってあめいろになった蒸し器は一段一段買い直しながら使っているそうです。

 お得意さんは近くにあるスーパー、幼稚園等でまた仙台一高が近くにあり高総体、文化祭などに「がんづきと牛乳のセット」がよく使われているそうです。

 「がんづき」は宮城県と岩手県の一部の郷土料理のようで農村では農繁期のおやつとして、また日常のお茶受けとして親しまれてきたそうです。

 宮城県菓子工業組合