鹿児島県菓子店

2018.05.16

㈱南海堂

「変わらない」という進化

南海堂のお菓子 「♪なんかいどぉのげたんは♪」鹿児島で知らない人はいないメロディ、そしてその味。

 「げたんは」は昔から鹿児島に伝わる素朴な郷土菓子で、形が「下駄の歯(げたんは)」に似ているところからこの名が付いたと云われています。

 黒砂糖の蜜を充分に吸い込んだ、そのしっとりとした食感、そして口の中に広がる黒砂糖の優しい甘み。この郷愁を誘う懐かしい味は、全国に数多いる鹿児島出身者の心を深く揺さぶるのです。

 南海堂は、昭和12年に先々代が南海堂菓子店として創業。以来業務拡大に伴い、昭和37年に株式会社南海堂を設立しました。志を引き継ぐ3代目の松元真一郎氏にお話を伺うと、原材料にこだわり、時代に伴い進化させつつ、お客様に「変わらない」と思ってもらえるように努力を重ねているそうです。

 「げたんは」はかつて、なんばグランド花月(大阪市)にある全国の特産品を集めて販売している「よしもと47ご当地市場」で、売上ランキング9位にランクインしたことがあり、鹿児島県産品でトップ10入りしたのは初めてでした。「鹿児島に住んでいたころに食べた懐かしい味」「子どもの頃に食べた美味しいおやつ」「変わらないなあ」「ホッとするなあ」そういう思いに寄り添った丁寧な菓子作りをしているからこそなのだと、改めて納得させられたのでした。

 他にも「げたんは」と同じ材料で乾燥したタイプの「黒棒」や「さつま芋芳露」などの伝統菓子ももちろん人気商品ですが、可愛いパッケージの「おやつボーロ」「おやつクロボー」など新商品も展開しており、無印良品やセレクトショップ、温泉施設、道の駅などで購入できるのも魅力です。

 今年は「明治維新150周年」。加えて、大河ドラマ「西郷どん」の放映もあり、鹿児島は盛り上がっています。南海堂でも、西郷どんと愛犬ツンのイラストが入った、ちょっと大人の雰囲気の黒いパッケージの「げたんは」や「黒棒」も販売し、ますますその魅力を広げています。

 伝統を尊重する豊かな心と時流を読む確かな眼力で、これからも鹿児島の魅力ある伝統菓子を全国に発信していくことでしょう。

 「今宵はここらでよかろかい。南海堂どん、キバレ!チェスト!!」

 鹿児島県菓子工業組合事務局長・惠島理子