静岡県レポート

2018.04.19

焼津みそまん学会

伝統の饅頭でガッチリ!

スペシャルセットの掛け紙、裏は会員の店舗入りマップになっている 地域の活性化、菓子店の繁栄に大きく貢献している。「焼津みそまん学会」については「製菓製パン」平成25年10月号でも詳しく掲載されているのでご覽頂きたい。静岡県焼津市といえば漁港の町として知られ、その漁師のおやつとして戦前から作られていたのが「味噌饅頭」で、生地に味噌や醤油が入り、少し塩気があり漁に出た時のエネルギー源にもなり好まれた。今も全和菓子店で味噌饅頭を作っており「みそまん」と呼ばれ地域に根差している。それぞれのレシピが違うので色、形、大きさ、生地の食感、風味等々各様だ。ただし、味噌を使う事だけは共通している。

この、味噌饅頭を県内はもとより全国に広く発信していこうと市内組合員に呼びかけ、10店舗で立ちあがったのが「焼津みそまん学会」(平成23年4月発足)である。この前身は県事業で行われていた「駿河湾深層水」をお菓子作りに活かせないかと、初代会長である「㈱かしはる」の法月吉郎氏の呼びかけで発足した「焼津菓子深層水学会」(平成13年発足)で、当初は水羊羹の「波のしずく」や「味噌饅頭」を開発し販売してきたが平成21年の駿河湾地震で深層水の取水が減少したので、将来に不安を感じ原点である地域伝統の味噌饅頭で活性化を図ろうと再スタートしたものである。

饅頭は各店のオリジナル、味噌を使用しておれば規制は一切ない。独自性を出すためお互いが切磋琢磨している。学会事業として「味噌の日」の毎月30日を「みそまんの日」と定め会員10店舗(現在2店舗が高齢等のため退会)の味噌饅頭を詰め合わせたスペシャルセットを会員店舗で予約限定販売している。この日だけ各店の「みそまん」が一緒に楽しむことができる。このセットは市内の各種イベント、地元企業の催事や進物などに利用され、会でも催事に出店するなど幅広く活用されている。

取材に応えて頂いた右が初代会長・法月吉郎氏(78歳)、中央が広報担当の山川仁志氏(55歳)、左が現会長・松村剛志氏(34歳) また、先進地の伊豆長岡温泉の温泉饅頭とは「まんじゅうサミット」の開催やイベントにもコラボしたり、各店独自のキャラクター登場や新たに地域に伝わる「えびす講」に使用の『口取り』を復活させるなど学会として一層の進化を続けている。

この要因は何か。①メンバーが地元のお菓子作りを通して仲間の活気と町の活性化を図る心意気が強い事。②年齢も老若男女バランスが良い事(平均年齢55歳)若い人が積極的なのが特徴。③店舗の規模も大小様々なのに相互扶助が出来ている。④役員も順番制で会長も全員が経験することで責任感や相手への理解が深まる。⑤定期的な研修会や研修旅行で知識や能力の研鑽を積んでいる。⑥組合とは共存共栄の精神で組合活動を優先にしている。などが挙げられる。

紙面の都合もあり意を十分に尽くせていないが、取材をして組合活動にも大いに参考になると感じた。学会について詳しいことをお知りになりたい方、静岡県菓子工業組合にお問い合わせ下さい。(☎054―283―5575)

 静岡県菓子工業組合副理事長・森田紀