静岡県菓子店

2017.12.19

「お菓子処ヤマモト」(静岡県沼津市)

地元の声を生かした地産地消で繁盛店

話題の大きな大中寺芋と里芋 今回、ご紹介する「お菓子処ヤマモト」さんは東西の幹線道路を結ぶ支線の間にあり、住宅地の中に学校や大型の同業店、ショッピングセンター、種々の小売店、飲食店などが混在する厳しい環境の中にありますが新しい感覚で手堅く繁盛しています。

 「ヤマモト」さんは昭和41年、初代山本孝夫氏が長い修業を重ね、有名店での工場長など勤めた後、現在地に開店しました。現在二代目の長男、浩之氏は地元老舗菓子店で5年の修業を終え平成元年(27才)から従事、浩之氏は初め教師を目指して大学に進学、理学部化学科を専攻習得された逸材でもあります。初代の孝夫氏は深い経験から菓子の技能、技術は地域同業者の指導的立場にあります。その父の教えと学生時代に培った知識を活用して、神奈川県の「彩の会」の勉強会等に参加して糖尿病患者の方の為の菓子を開発、店舗には勿論、病院関係のイベントなどにも出品して評判を呼んでいます。

看板商品と大中寺芋の作品 また、静岡県マーケティング課の「ふじのくに食の都づくり仕事人」に応募、認定を受け、地元の食材を利用したお菓子作りを始めました。沼津市根方地区特産のサツマイモ使った「根方のいも吉くん」や沼津茶の「濃い茶大福」など看板商品となっています。仕事人の認定を受けた事で県の広報により仕事人、そのお店や商品の紹介等が冊子として県内の役所や各施設の窓口に展示配布され大きなPRになっています。その他情報交換となる会合や新しい食材の提供など県の奨励する地産地消に貢献しながら営業に役立てております。

初代孝夫氏、浩之氏と奥様の真由美様 最近、沼津市では大正天皇に献上されたという里芋の一種である「大中寺芋」が再び脚光を浴び焼酎等の商品開発が進められてきました。この芋の産地が「ヤマモト」さんの地元であることから芋を利用したお菓子の開発を依頼され、県の仕事人である浩之氏は試行錯誤の末、「大福」「まんじゅう」「だんご」「蒸しドラ」「桃山」「上生」を完成しました。

 「大中寺芋の会」が結成され各ジャンルの商品のブランド化も図られ、商品は店舗をはじめ地域の各イベント出品や催事で利用されています。現在は県の食材の認定も受けたことで農協の大きな支援を受け産直市出店やお中元、お歳暮用品のカタログにも取り上げられています。マス・メディアの注目も集めテレビ等の取材も多く顧客の関心も一層高まっています。浩之氏は芋の会に所属して栽培から収穫まで携わり人の絆、新鮮な素材が使える事、その劣化の状態も観察できたことや農業体験から農家の苦労を知り、菓子屋の良さも分かって材料を提供してくれる農家も共に大事にしたいと強く感じているようです。

 浩之氏は現在組合の会計を勤め、初代孝夫氏は組合長等歴任され親子共々業界に大きく貢献されております。浩之氏は「顧客や地域の声や依頼には誠意を持って応えて行くことが大切でそれが次へ繋がって繁盛の原動力になるのではないか」と話されておりました。

 静岡県菓子工業組合副理事長・森田紀