佐賀県レポート

2017.12.19

オランダで「丸ぼうろ」の製作実演

350年の時を経てルーツの国へ

ジャパン・フェスティバル2017 佐賀県では、2016年10月31日にオランダ王国大使館と「クリエイティブ連携・交流協定」を締結し、佐賀県とオランダとのクリエイティブ分野での連携や、文化芸術・スポーツをはじめとする幅広い分野での交流を進めていくこととしています。

 その取組の一環として、オランダにおける佐賀県の認知度の向上を図り、交流を促進するため、2017年10月8日(日曜日)にオランダで開催された日蘭交流イベント「ジャパン・フェスティバル2017」にて佐賀銘菓「丸ぼうろ」の製作実演を行いました。テーマを「佐賀丸ぼうろ」とし、佐賀とオランダの歴史的なつながりを紹介するとともに、江戸時代、佐賀人がオランダ人や中国人から製法を学んだという説がある南蛮菓子「丸ぼうろ」づくりの製作実演及びワークショップを、佐賀県菓業青年会とオランダにあるベーカリーショップ
「Lanskroon」とのコラボレーションにより行い、「丸ぼうろ」を切り口に、オランダ人への「SAGA」の認知向上と、親しみの醸成を図りました。

 このイベントへの出展依頼を頂いたのが遡ること5か月前。350年程前に長崎出島の外国人から教わり、佐賀に根付いた南蛮菓子「丸ぼうろ」。ルーツであろう国々にはポルトガルの「カバッカ」、オランダの「エイルクック」と今でも丸ぼうろと同様の菓子が作られています。そんな歴史的背景から見ても丸ぼうろの本場に上陸出来る機会を頂き、大変興奮しました。

 まず「ジャパン・フェスティバル2017」内で丸ぼうろの製作実演、ワークショップを行ううえで「現地の材料を使用する」、「現地のベーカーリーショップと共同で運営する」の2つの条件がありました。糖類、粉類、そして使用するオーブンも日本のものとは微妙に違っていて、佐賀で作っているものを再現するにはなかなか至りませんでした。しかし有難いことに提携先のベーカリーショップのキッチンを借りることが出来たので、朝は試作、昼間は材料探し、夜は仕込み、試作と本番の日まで4日ほどはオランダ仕様の丸ぼうろ作りに没頭し、イベント前日までには佐賀のものと遜色ない丸ぼうろが出来上がっていました。

 「ジャパン・フェスティバル2017」当日はおよそ2万人の来場があり、出来立ての丸ぼうろの配布、そして丸ぼうろ作りのワークショップを開催しました。オランダの方には丸ぼうろの伝統的な型抜きの製法がとても新鮮に映ったらしく、夢中で眺める方や、実際に粉まみれになって体験される方が多数いらっしゃって、終日佐賀ブースは大盛況でした。

 2018年は明治維新150周年を記念して「肥前さが幕末維新博覧会」が開催されます。幕末・佐賀藩はオランダとの交流によって世界に目を向ける人材を育成し、先進科学技術を導入することによっていち早く近代化を成し遂げました。博覧会ではパビリオンの一つとしてオランダハウスが開館します。丸ぼうろをオランダ人から習ったように、350年の歳月を経てオランダの伝統菓子「ストロープワッフル」の製法を佐賀の職人に伝授するため、お世話になったベーカリーショップ「Lanskroon」のスタッフの方達も来日されます。佐賀とオランダの職人が出会い、交流することで新たな菓子文化が佐賀に根付くことになるのであれば、それ程うれしいことはありません。そしてこの「ストロープワッフル」がこの先これをきっかけに佐賀の新銘菓とて残っていくことを期待しています。

 佐賀県菓業青年会会長・大串久昭