静岡県菓子店

2017.07.18

御菓子処 松木屋(静岡市)

ワンマンで頑張ってます!

駿河三大名物『うさぎ餅』 シャッター街と言われるように閉店に追い込まれる商店が増えている中でお菓子屋さんだけはどこの地域でも元気に頑張っておられます。中には後継者の問題で閉店を余儀なくされる方もおりますが、人様に夢を与えられる仕事ができ、身体が健康であればいつまでも定年のないお菓子屋さんは素晴らしい職業だと誇りに思っています。

四代目 松木伸公氏 今回、ご紹介する「御菓子処松木屋」(静岡市駿河区)は創業明治四十三年の老舗で現店主の松木伸公氏は四代目となります。静岡市には「駿河三大名物」と言われる①『安倍川もち』②『追分羊かん』③『うさぎ餅』がありますが、この『うさぎ餅』の製造販売を一手に継承されているのが松木屋さんです。お店には『うさぎ餅』をメーンに苺大福、串団子に水羊羹と四季の朝生や上生菓子と焼き菓子など三十種類程のお菓子が塩梅良く陳列されています。伸公氏は大学を卒業して最初に、一般のスーパーに勤務します。その後、東京製菓学校に入学して菓子を学び家業である「松木屋」を引き継ぎました。一旦、外の世界を見たことは色々な意味で良い勉強になったようです。以前は大勢の従業員を抱えておりましたが、次第に従業員も減って家族だけとなり、父親が逝去されてからはとうとう、伸公氏が一人になってしまいました。それでも製造は先代からの職人さんの力を借りながら、百坪程の工場に自動包餡機など必要な機械類を揃え、冷凍・冷蔵庫を上手く利用して、商品構成がなされています。販売も一人で担当していますが必要な時、嫁いだ妹さんが手伝ってくれています。午前四時に起床して工場に入り開店(九時)までには商品を揃え、店番もセンサーを利用して製造に携わり配達は店を閉めて出かけます。お店は『うさぎ餅』の評判でメディアの取材も多く地域の人気店として大変繁盛しております。

工場に隣接の店舗 また、伸公氏は、組合員の信頼も厚く、静岡県菓子工業組合青年会会長として「世界の菓子まつり」に携わり、現在は静岡市菓子組合の理事と食品衛生協会の食品衛生指導員もつとめるなど、お店の暖簾を守りながら組合の為にも日々奮闘されております。

どうしてそんなに頑張れるのか聞いてみました。「正直のんびりしたいと思う時もあります。しかし、お客様から「美味しかったよ!」「ありがとう」という言葉を掛けられると嬉しくて、もっともっとお客様に喜んで頂けるお菓子を作ろうと頑張れるんです」と仰っていました。組合も「共通の仲間であり情報源であり自分が菓子屋を続けていくために不可欠なものと思っています」と熱く語っておりました。私は取材でお菓子屋とはどんな厳しい条件の中でも努力と工夫で頑張れる有り難い職業だと改めて強く感じました。

 静岡県菓子工業組合副理事長・森田紀