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大震災から6年。復興支援活動が続く理由

行動するげん! 石川県菓子工業組合青年部

「石川の皆様に感謝!」岩手県菓子工業組合宮古支部・小林昭二氏 東日本大震災発生から6年。被災地でのボランティアが減少する中、石川県菓子工業組合(小出進理事長)の青年部メンバーは「行動するげん!(行動するぞ!)」を合言葉に東北は岩手県に今でも足を運び続けています。

 なぜ6年もの間、彼らの支援活動は続くのでしょうか?

 当時の青年部トップで、震災直後にごく数名で東北を初訪問した那谷忠之氏(松葉屋)は「それは仲間の存在だ」と語ります。「現地に立ち被害の大きさに絶句すると同時に、菓子屋にもできることは必ずある!と確信。継続したのは、青年部の仲間達が、個人的に始めた活動を青年部の公式事業にしてくれたから」と友情と組織力に感謝します。

 那谷氏と初訪問をともにした行松宏展氏(行松旭松堂)はその2年後、那谷氏から部長を引き継ぎ、青年部創立20周年式典で「日々普通の生活が送れることがいかに幸せかを思い知らされた。人生観が変わった」と挨拶。「継続する理由は、当時各地から引き合いがあった中、那谷さんの『ご縁があった岩手の宮古に重点的にいこう』という判断。多岐にわたらず一点集中したことで当地との強い絆ができた」と断言します。

 一方、岩手県宮古の中村克美氏(中村せんべい店)は「震災の後、石川の那谷さんという方の携帯番号を県組合事務局から教わりその直後すぐ本人達が来てくれた。同年秋の再来訪では『一杯やるべし!』と盃を交わして意気投合。毎年数回来訪してくれてもう6年。石川の菓子作り、菓子振る舞いは地元で大好評」と喜び、「人と人との繋がりは時間の長さではないと感じる。今も宮古の物産を全国で販売して頂いている」と笑顔。

 現在部長を務める宮向健也氏(河田ふたば)は「活動が続く理由は、現地へ赴くメンバーの行動力、毎回たくさんのお菓子を提供してくれる石川県菓子工業組合の方々、青年部メンバー、中部ブロックの仲間達の熱い思いと応援があるから。この事業を通じて『菓子屋の可能性』と『菓子で繋がるご縁』を改めて知った」と実感、このプロジェクトの継続計画を練る岡崎欣浩氏(お菓子処佐吉庵)は「宮古へ何度か行くうちに、僕にとって復興支援ではなく『里帰り』のようなものになった。菓子屋で良かったと思える時間でもあり、いつの間にか逆に元気をもらえ、また行きたい!また行こう!になっている」と継続を誓います。復興支援委員長の那谷氏は「『被災者と支援者』という関係が、今では『おかえりなさい』と迎え入れてくれる家族のような関係に。石川県菓子工業組合各位からのバックアップ、石川の和(輪)の力のおかげです」とこれからの石川の可能性に思いを馳せます。

 青年部の兄貴的存在で相談役を務める中村辰男常務理事(なかむら)は「これだけ継続するのは他に例がないと思う。宮古の皆様と『朋友』関係にまで高め合ったのは見事。彼らの次の東北訪問時期が近づくと自然と『そろそろお菓子を用意せねば』と思うのは私だけではないはず」と青年部のたぐいまれなる人間力に期待を寄せています。

 コメントを頂いた皆さんの明るい表情からも、このプロジェクトが継続する理由が見て取れました。

 石川県菓子工業組合事業企画委員会・深沢大

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