京都府レポート

2017.05.22

「製菓技術講習会」和菓子:平成29年2月23日

講師:宮本輝夫氏 助手:(青年部) 上田孝博・上田悟史・北川孝大

宮本輝夫講師 京都の菓子屋は何がすごいのか、私には大変に大きな課題です。

 まずは京都の歴史的環境からでしょう。千年の都と言われ数多くの歴史的変換の場所として、京都市内のどの通りを歩いても、いつの時代かの歴史的風土を感じそこには、門前菓子がありお菓子にまつわる話があります。また都であるが故の近隣との交流から菓子に必要な材料が豊富にあり、京都盆地の地形から山紫水明の利点として、地下水が昔から多く利用されてきました。京都伏見地域では、豊富な湧き水のおかげで、多くの酒蔵があるのは全国的にも知られているところです。水といえば宇治のお茶そして茶道、京都には茶道のお家元がありたくさんのお弟子さんもおられます。そこで使っていただく数々のお菓子は昔から京都の菓子屋の仕事です。

下萌・老梅・しだれ桜 そこで本日は「製菓技術講習会」和菓子をご紹介いたします。日時平成29年2月23日場所は京都の菓子屋はここで大変にお世話になっております、菓子道具専門店堀九来堂3階の講習会場、講師は平成27年度京都府優秀技能者表彰 京都現代の名工受賞の宮本輝夫講師。助手には青年部3名上田孝博氏・上田悟史氏・北川孝大氏。菓子講習の内容ですが、菓名は下萌(したもえ・村雨)老梅(ろうばい・外郎)しだれ桜(こなし)と順番に進められ講師と助手の呼吸も合った時間の運びとなりました。

 下萌は村雨の生地の上に緑の羊羹を流し巻いて均等切りにした菓子で、雪解けの若い芽を表したものでした。外郎地で表したかったのは、樹齢300年ほどの老梅から咲く梅の花、先輩から後輩へとバトンを渡す思いがここには有ると、講師の宮本輝夫氏は師匠から教わったものと、理解されています。そこには、老梅が幹も細くなり途中では裂け目も有り先の枝にやっとの思いで、淡い花を咲かせるが、そこには老梅と思えぬ香りと鮮やかな紅花を内に秘めた菓子にしたいと、語られていました。講習会の参加者の多くは青年部で毎日の仕事の中では同じ事の繰り返しかもしれないが、四季を感じ特に春を感じることを実感してほしいと、次の菓子しだれ桜(こなし)へと移り、参加者の何人かに、実際に手にとって、しだれ桜の製作を進められて(こなし)の手触り感触を知ってほしいと、講習会参加者を引き込んでの「しだれ桜」作りとなりました。

 講師の宮本輝夫氏は日頃から青年部の指導にあたり、数多くの後輩を現在も育てています。工芸菓子の製作でも、青年部の指導に熱心で今では、後輩の青年部が、第27回全国菓子大博覧会・お伊勢さん菓子博への工芸菓子部門に青年部の工芸菓子を製作中です。(4月10日現在)

 助手の青年部との呼吸が合うのも普段から先輩と後輩として接しているからと納得の講習会でした。

 京都府菓子工業組合専務理事・北川清治