大阪府レポート

2017.04.27

あなたのお腹のお花畑

森永乳業で腸内細菌の勉強会

左上乳酸菌、右下ビフィズス菌(森永乳業(株)提供) 大阪府菓子工業組合では年度末に表示法と新素材研究の二つの勉強会を開催しました。今回はその中から「お腹の中の細菌事情とお菓子の関係」についての勉強会の報告です。去る3月17日、イワセエスタ研修室において、森永乳業㈱食品素材事業部販売統括部の古田雄一郎氏により、『なぜいま腸内フローラなのか?』と題して、人の腸内における有用菌類の最新情報と、それらの活用最新事例のお話をお聞かせ頂く機会を得ました。以下、私なりに咀嚼したまとめを記したいと思います。

人間の体には無数の菌類などが存在しており、なんとその数は数百種600兆個以上と言われています。特に小腸から大腸にかけてはこれらの様々な細菌が種類ごとにグループをつくって腸の壁面に住み着いています。顕微鏡で腸の中を覗くと、それらはまるで植物が群生している「お花畑」のようにみえることから、『腸内フローラ』と呼ばれています。

近年それらと健康の関わりについての研究も進み、マスメディアにも頻繁に取り上げられ、菓子を含めた加工食品への利用が図られています。腸内細菌の種類や数は食生活や生活習慣、はたまた人種や年齢などによっても異なるため、『腸内フローラ』も人それぞれ違います。赤ちゃんの腸内細菌は99%以上がビフィズス菌なのに対し、加齢と共に減少してウェルシュ菌や病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増え、腸内で有害物質をつくり出し、便秘や下痢などを引き起こします。また現代社会では様々なストレスやアレルギー物資にさらされ、運動不足や過食による肥満のリスクも抱えています。

これらを軽減する方法のひとつとして「健やかな腸内フローラを保つ」ことが重要なのです。『脳腸相関』という聞き慣れない言葉ですが、脳と腸は迷走神経で強く結ばれており、健全な心を保つためにも「健全な腸内フローラを保つ」ことは重要だと言えましょう。

善玉菌の主役は、主に人や動物の腸管のみに生育するビフィズス菌で、酸素があると生育できず腸内で代謝産物として乳酸や酢酸を産出します。他には自然界に広く分布している乳酸菌があり、これは酸素があっても生育でき乳酸を産生します。チーズや漬物作りに利用される有用細菌でもあります。これら菌類は生きて腸に届くのが理想ですが、死菌となっても免疫強化といった効果効能があるので、幅広い製品に利用できるメリットがあります。

加工方法を工夫して、熱や酸や水分を避けることにより、生菌の状態で腸まで届けることも可能なので、腸内増殖も期待でき、整腸効果や免疫強化なども図ることができます。ビフィズス菌や乳酸菌の餌となる、ミルクオリゴ糖や分岐オリゴ糖を同時利用することによる相乗効果もあります。

なお具体的な提案商品として、森永ビフィズス菌末 B―3―EX、シールド乳酸菌M―1、ミルクオリゴ糖MLC―97の提示がありました。

問合先:森永乳業㈱食品素材事業部 TEL:03―3798―0135

 大阪府菓子工業組合副理事長・豊下正良