岩倉市 プチ・アマンド
お客様に喜ばれるお店作り
今回は、愛知県北西部に位置し、名古屋市のベッドタウンとなっている岩倉市の「プチ・アマンド」さんをご紹介させていただきます。
同店先代の中村昭和先生は、愛知県菓子技術専門校の校長及び愛知県洋菓子協会の会長をされた、愛知県の洋菓子業界を先導された方でした。
そんな深い縁のある「プチ・アマンド」の2代目社長中村洋一さん(1971年生まれ〈生まれる2か月前にお店がオープン〉)に色々と話を伺わせていただきました。
2代目がこの業界に入ろうと思ったきっかけというのは、小さい頃から先代に洗脳されていたというと言葉が悪いですが「いい商売だ」「いい商売だ」と幼心に焼き付けられていたからだそうです。
とりあえず高校を出て、デザイン関係の学校を1年半で中退して、家業を手伝うなどして半年を過ごす。
20歳になり、神戸の垂水にある「レーブド・シェフ」さんに面接に行く。そこで「二枚のクッキー」に出合い、人生を決定づけられた。今まで何枚とも知れない沢山のクッキーを自分の店で焼いて食べていたはずなのに、このたった「二枚のクッキー」があまりに美味しくてカルチャーショックに陥り「こんなお店で働きたいな」と心を躍らされた。しかし、入社したことは良いが「レーブド・シェフ」という店は伸び盛りの真只中で、毎朝7時から夜中までフル生産で、これでやっていけるのかな?と思ったそうです。
3年目にあの大惨事、阪神大震災に遭う。修業先も大きな被害に遭い、店はガス、水道が止まるが、ガスはプロパンガスで、水は明石の方でもらい3日後には営業を再開し、あるだけの材料でお菓子を作り販売する。また、並行してお店用のお菓子と避難所への差し入れするお菓子を作って配っていた。
5年半の修業中で、特に身についたのが材料へのこだわり。こんな高い材料をふんだんに使ってお菓子を作っていて採算が合うのかな?と思うくらい材料へのこだわり、また、お菓子へのこだわり、全てにおいてこだわる事の重要さが身についた。
神戸での修業を終え、実家に入るが、修業先とは大きなギャップを感じ、全てにおいて変えていかないといけないと悩む。悩んだ末思いついたことは、とにかく自分でできる事は何でもやろう、お金をかけずに自分でできる事を一つずつやろう、店内POPを作り、店の前の花壇も自分で作り、店の中のショーケースも3段を2段に作り直してお菓子をおいしそうに見えるように、何でもしました。
5年目で初めて改装し、店の売り上げは上向きになり、8年目で先代から社長を譲り受けるが、帳面を見てびっくり。これはいけないと思い、先代が建てたもう1店舗を、1年間の猶予期間を設け閉めることとする。
こうして身軽になり、15年目にまた大きな改装をして地元のお客様に喜ばれる店作りに努力しています。これも一人の力ではできず、売り場を支えてくれている奥様(のぞみ様)との二人三脚及び従業員の皆さんの協力でもって達成できる事であって、少しも驕る事なく、こだわりのお菓子作りに励んでいます。
愛知県菓子工業組合・鬼頭武司
店舗データ
(有)プチ・アマンド
岩倉市大地新町2丁目45番地
電 話 (0587)66-7021
定休日 毎週月曜日
営業時間 9:00〜20:30