栃木県レポート

2016.11.21

釜の蓋まんじゅう

那須地方限定の風習

炭酸まんじゅう 栃木県の北部(特に那須地方にかぎられた風習)で8月1日に炭酸まんじゅうを食べる風習があります。

 8月1日を「釜蓋朔日」と呼んでおり、「地獄の釜の蓋が開く日」とされています。(この場合の「地獄」は「あの世」という意味です)

 地獄からの道のりは遠く、ご先祖様がお盆に間に合うためには、8月1日にでなければなりません。ご先祖様が釜の蓋から飛び出し、そこから13日間かけて帰って来ます。

 ご先祖様を迎える為、8月1日に釜の蓋が開くことを喜び、炭酸まんじゅうを作り、笹の葉を敷いてお供えし、その後みんなで食べる風習、これが釜の蓋まんじゅうの言い伝えです。

 釜の蓋まんじゅうの言い伝えは、いくつかあるようで私がよく耳にする言い伝えを紹介しました。

 他には、炭酸まんじゅうを13個お供えし、ご先祖様が1日1個腹ごしらえに食べる為、お迎えする人は、食べてはいけない。

 また、ご先祖様が迷子にならないようにお墓から家までの道のりに炭酸まんじゅうをいくつかお供えし、ご先祖様がなれ親しんだ炭酸まんじゅうを用意する。

 など、人や家庭によって言い伝えは様々のようです。

 7月31日、8月1日になると、那須地方だけでなくその周辺地域の和菓子屋さんはお店に沢山の炭酸まんじゅうが並びます。

 今では、スーパーや道の駅、コンビニまでもが店頭に山積みになって販売されており根強い風習です。

 栃木県中部ではごく一部の地域しか知られておらず、南部では釜の蓋まんじゅうの風習を全く知られていません。

 那須地方限定という非常に局地的な風習であり、まだまだ廃れそうにない根強い風習であります。

 栃木県菓子工業組合・菓子づくり研究会会長・和氣康匡