富山県レポート

2016.07.13

菓子店と消防団員

われわれの町は、自分たちで守る

宇奈月の町 納品時間に合わせて一生懸命に菓子作りしているところへ突然の非常招集命令! あなただったらどうします? 消防団活動には有り得ることです。仕事を中断し火災現場へ… 注文はどうするの? お客様にご迷惑がかかりますし、お店の信用もなくなります。代わって間に合わせてくれる者がいれば別ですが、家内工業では難しいですね。

 「われわれの町は、自分たちで守る」と、強い使命感と郷土愛で溢れる消防団。火災、水害時の初期消火、避難誘導の他、近年では遭難者や認知症徘徊による行方不明者の捜索救助でも出動します。また、その為に日頃から消火栓の点検、消防ポンプ車の操法訓練、水防技術の習得などにかなりの時間を取られます。

 ひたすら情熱を傾けているのに、消防団に対する評価はあまり良くありません。時間が自由な自営業者が昼間っから酒を飲んでいるとか、旅行に行けば羽目を外してばっかりとか。操法大会に備えての訓練を早朝や夜間に数カ月毎日行いますので、家庭をも犠牲にする事も有ります。入団をお願いしても、こう言った噂や現実が邪魔をし、なかなか入団してもらえず、団員数は減少傾向にあります。

 しかし、富山県では消防団の活動にもより、火災出火率が全国最小になっております。しかも最小を連続二五年間続けております。それだけ火災による出動が少なく、それ以外の出動はある程度計画が立てられると言うわけです。

 消防団活動は、自分自身の為にもなりますし、地域の安全・安心を守る事にもなります。どうしても続けて行くことが困難になった時は、退団すればいいのです。一度身に付いた防災に対する心構えは、一生あなたを守ってくれる事でしょう。

 私は消防団員を四〇年余り務め、三年前に六十四歳で黒部市消防団団長を最後に退団いたしました。そして今年春の叙勲で瑞宝双光章を受章致しました。家族はじめ、本当に多くの方々に支えられていた事を改めて知らされました。

 富山県菓子工業組合副理事長・羽柴進一