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県食品研究センターと共催で「菓子研修会」を開催

健康志向にマッチした菓子の開発を目指して

菓子研修会 去る3月7日(月)、新潟県菓子工業組合では、新潟県農業総合研究所食品研究センターとの共催で「菓子研修会」を開催した。テーマは『菓子類へのココナッツオイル利用について』『おこわへの蜂蜜利用について』及び『おからの菓子類への利用について』であった。毎年実施している同研修会は、製菓技術の向上や商品開発を目的とした当組合の官民一体となった重点事業であり、県食品研究センター本間紀之先生及び諸橋敬子先生が講師をされ、約35名の参加者はそれぞれ熱心に聞き入っていた。

 ココナッツオイルは、飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸)が多く、抗酸化作用が高いことで注目されており、健康、特に認知症の予防・改善に良いと言われている。今回は、クッキーを試作、代替バターとして、10%、30%、50%、100%量を使い、焼き上げ「味・風味・口溶け」の官能評価試験を行った。その結果「エクストラバージンオイル」の評価が高かったが、代替バターと合わせてクッキーを作る場合は、30%程度の混入が高評価であった。

 『おこわへの蜂蜜利用について』は、蜂蜜はお米の味をよくするとの情報に基づき、平成27年産もち米に、純粋蜂蜜を1%~3%まで加えたおこわを4通り作り、水分含量や色査計によるおこわ表面の明度や色相を図ったり、官能評価試験を行った。その結果「保水性、食感などの効果はあるが、数値的な差は極めて小さい。甘味を余り感じさせず、効果を求める場合は1・5%が限界」となった。

 『おからの菓子類への利用について』は、豆腐を製造する際に出るおからの有効利用を目的として作ったスポンジケーキを試食した。不溶性の食物繊維やたんぱく質が残り、最近は健康食品として見直されているおからだが、ケーキに配合すると見た目や味は小麦粉100%のスポンジと変わらないものの、少量で膨満感があり、ダイエット食品を食べているようであった。

 それぞれを試食したが、長寿化社会に向けた今後のお菓子開発のヒントになるのではと感じました。

 新潟県菓子工業組合専務理事・蒲沢百合子

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