各地の菓子店探訪,香川県菓子店

2016.03.18

有限会社吉岡源平餅本舗

伝統と遊び心の菓子作り

有限会社吉岡源平餅本舗 弊鋪は江戸後期に四国高松で、讃岐の特産品である和三盆糖を商う問屋を生業としていた。その後、菓子製造に転じ白下糖を使った生姜糖やかりんとうを製造販売していた。当地は四国八十八か所の結願の地として、また屋島、栗林公園、玉藻城、金毘羅宮等は昔から有名な観光地として賑わっていた。明治になると宇高航路が開通し、後に国鉄宇高連絡船の四国の起点として発展していった。屋島は四国八十八か所の内八十四番目の札所として、また源平屋島合戦の古戦場として、参詣客、観光客が増えていった。明治中頃に屋島山上の茶店の主人から屋島にふさわしいお茶菓子を造っていただけないかとの依頼があり、二代目が紅白の小餅を創製した。当時徒歩で登って来た旅人に大変喜ばれたと聞いている。誰が言うともなく源平合戦にちなみ、源平の餅と呼ばれるようになった。明治の後期に三代目が源平餅として商標登録し現在に至っている。

 今も源平餅は主力商品であり社名も有限会社吉岡源平餅本舗と名乗っている。オイオイ、100年以上も主力商品が同じなの?時の社長は何をしていたの?と思われるとチョットつらいものがある。だけど決して遊んでばかりいたわけではない。色々な商品が育っている。そのうちの一つが果実を一個使った和菓子。キウイ、柿、柚子等を丸ごと一個使った創作菓子だ。名前はまんで○○。この名前を見て変わっているなあとか、意味がわからんという人。……安心してください。まんでとは香川の方言で全部とかまるごとという意味。まさにまるごと一個使ったまんでキウイであり、まんで柿であり、まんで柚子なのだ。すべて手造りであり大量生産は出来ないが、こういった遊び心のある商品もいいものだと思っている。

 昔からある源平餅は伝統を守り、新しい商品は遊び心とゆとりを持って菓子の製造に励みたいと思っている。

 香川県菓子工業組合理事・吉岡啓志