岐阜県菓子店

2016.02.16

餅・菓子店 餅惣

餅もお菓子も餅惣で!

最中とサブレ 「棚からぼた餅」「絵に描いた餅」「食うた餅より心持ち」「餅は餅屋」…

 少し思い出すだけでも、餅に関する諺はよく出てくる。諺だけではない。一年通して見ればお正月の鏡餅にはじまり、花餅・草餅・菱餅・柏餅…と毎月お餅は続き、日常に目を向ければ、尻もちヤキモチ、お金モチ(?)などなど365日お餅に囲まれている。これほど多く餅が使われるのは、日本人にとって馴染みの深い食品だっただけでなく、古来より白い餅は神様が宿る神聖な存在として敬われてこられたからだろう。お餅を食べると力がつき、生命を再生させる霊力があると信じられ、私たち日本人の生活に深く深く根付いてきた。

 岐阜県の西に位置する城下町大垣を代表する餅・菓子店「餅惣」の創業は、今から遡る事154年前文久2年(1862年)の事。当時、美濃国一の米の集積所であり、水都と称されるほど質・量ともに豊富な地下水を有した大垣は、まさに米所ならぬ餅所。洗米から浸水、蒸しに至る餅つきの工程で非常に重要な役割を担う水に対して、餅惣では並々ならぬ情熱を注ぎ、より良い水を求めて大正時代には百間堀といわれる、当時の大垣ではまだ珍しかった深井戸を掘り、美味しい餅作りに努めてこられた。餅惣の井戸水の美味しさは、お餅屋さんとしてだけでなく、大垣を代表する氷問屋であることからも広く知られており、特に夏季限定商品の「水まん氷」は水を活かした菓子作り・餅作りを続けてこられた餅惣ならではの絶品です。

 お餅の需要がピークに達する年末には5日間で100俵ものお餅を搗く餅惣さん。自慢のお餅を使った餅菓子が美味しいのは言うに及ばずだが、餅菓子以外の朝生菓子や洋菓子の技術を取り入れたお菓子など、実に様々なお菓子を展開されている。「昔ながらのお客様も沢山いらっしゃるので、代々の餅菓子・外郎などは引き続き製造しておりますが、折にふれ、お菓子のブラッシュアップはしております」とお話して下さったのは、餅惣の6代目店主として菓子作りを一手に担っておられる鳥居清さん。11年前に店舗改装を行った事を機に、素材・素朴・素直・簡素などなど「素」をテーマに掲げ、シンプルで奇をてらわないながらも、他では見られないお菓子を生み出し続けている。中でも「最中とサブレ」シリーズは大ヒット商品で、香ばしい最中種にサクサクのサブレ生地を流し込み、1枚1枚丁寧に焼き上げたこのお菓子は、味、食感、風味が見事に調和されている。

 新しいお菓子作りにも余念がない6代目店主の鳥居さんだが、それもそのはず全国和菓子協会が認定する選・和菓子職の「優秀和菓子職」の持ち主。実力は折り紙つきです。日本の文化にとって餅が切っても切れない関係にあるように、地元のお客様と密接な関係を築いて行きたいと将来の抱負を語る鳥居さん。「餅は餅屋」と言うなかれ。餅もお菓子も餅惣で!

 全菓連青年部部長・槌谷祐哉

店舗データ

6代目店主・鳥居さん餅惣
住  所‥岐阜県大垣市郭町1-61
電  話‥0584-78-3226
営業時間‥8:00〜19:00
年中無休(元日・2日を除く)