愛知県菓子店

2016.02.16

半田市リヴェール二ッ坂

地元で愛され20年

三代目の久村俊弥さんと奥様の真由美さん 今回お伺いしたお店は、お酢とレンガの町で有名な半田市に拠点を持ち、知多郡武豊町に2店舗を構える若きパティシエ久村俊弥様のお店「リヴェール二ッ坂」様をご紹介いたします。

 和洋菓子屋の三代目として生まれた久村氏は、小さい頃学校から帰ってくると家では初代の祖父が薪で餡子を炊き、二代目のお父様がオーブンで焼き物を焼いている姿をいつも当たり前のように見ていて「将来こんな職業につけたらいいな」といつも思っていたそうです。

 そんな久村氏も小さい頃から「エレクトーン」を習っていて、高校生の時バンドを組んで「キーボード」を弾くという音楽に明け暮れて、大学へ行ってミュージシャンになるんだと夢を抱くも大学受験に失敗し、お店に出入りしている業者さんの紹介で、東京のケーキ屋さんでバイトをしながら受験勉強をするが、またしても失敗。そこで、最初に紹介された豊橋の「株式会社マッターホルン」(現愛知県洋菓子協会理事長河合秀矩氏)での修業生活が6年続くことになりました。

 今ではあの6年間の修行時代があったからこそお菓子作りの技術は言うに及ばず根性も付き、社会での上下関係の大切さを知り社会へ出ていく自信というものを手にすることが出来ました。

 6年間の年期を終え、1年間ヨーロッパで勉強しようと思いフランスへ旅立つが「やっぱり日本のケーキの方が優れている」と思い、たった1か月で日本へ帰国。修業先「マッターホルン」で知り合った後輩「真由美」さんと1995年10月に結婚し、同年12月1日に「リヴェール二ッ坂」を開店。お店にはカフェスペースもあり、地元のお客様でいつも賑わう大型店舗である。

 この「リヴェール二ッ坂」を一躍有名にしたのが看板商品でもある「二ッ坂ロール」です。厳選された素材を使い、改良を幾度となく重ねて生まれたのが究極のロールケーキです。しっとり、ふわふわの生地と濃厚でいて口溶けの良い卵風味のクリームが特徴の贅沢なスフレタイプのロールケーキです。世の中が「ロールケーキ」ブームでもありましたが、当時最高で1日に770本を売ったという自信作でもあり、今でも日に100本は売れるという看板商品になっています。

 他にお父様が開発されたお酒のケーキ「酒蔵景気」は300年余の歴史を誇る地元半田で生まれ育った銘酒「国盛」。その中でも幻の酒と言われた国盛「吟醸酒」をたっぷり含ませた和風ケーキです。発売以来30年余りたった今でも半田のお土産で、上位の賞を頂いています。

 そして、今まさに店頭に並んだばかりのお菓子その名も「半田みやげ」。これは6年間修業した先でのお菓子を自分流にアレンジし、地元半田のお菓子がいつまでも愛されますようにという願いを込めて、パッケージも半田の「赤レンガ」をモチーフにして地元愛が一杯詰まったお菓子に出来上がっています。また、とっても楽しみな商材で太い柱になることでしょう。

 最後に忘れてならないのは、これだけ対外的に行動範囲が広い久村氏を支えているのは、ケーキ作りが大好きな奥様「真由美」さんの存在にあると思いました。奥様は今でも白衣を着てパティシエールとして次から次へとケーキを作り、コンテストへの挑戦も前向きで、昨年度は「第33回中部洋菓子技術コンテスト」(愛知・岐阜・三重)で連合会長賞を受賞するなど、技術向上にも余念がありません。

 愛知県菓子工業組合・鬼頭武司