神奈川県菓子店

2016.01.18

陽だまりの川崎物語

後継者シリーズ⑩

「明志屋」のご主人とお店を支えるご家族 川崎市の東側に位置する川崎区は川崎駅を中心とする商業地で今回ご紹介する、創業五十六年蔵作りのお店構えの『明志屋』は、その住宅街のなかにあります。日枝大神社のおひざ元。毎年五月の大祭は、日枝太鼓で賑わいます。『明志屋』さんのご主人は、西川宏明さん。二十八年前にお父様の跡を継ぐ為、サラリーマンから転職。それからずっと、修行の日々。今では、ご家族で仲良く、お店を守っています。また、息子さんも修行をはじめられて、何と幸せな事でしょうか。代々家業を継承出来るって事は、お菓子もお店も残っていくだけではなく地域の方との交流も続くわけです。

赤飯万頭 一番の売れ筋はと伺うと、ご近所で話題の、「赤飯万頭」だそうです。栗入りの皮で赤飯を包んでふかしあげた物。その卓越した品質とおいしさで、ちょっと小腹のすい時やおやつにと大好評。もう一つの人気商品は、年間を通して作られている「麩まんじゅう」です。京の雅を感じられる一品。お茶うけにはもってこいだと思います。地域の方々が気軽にお見えになる地域一番店である事は違いありません。他に、歌川広重の東海道五十三次にある神奈川九宿の内、川崎六郷渡舟の浮世絵をモチーフにデザインされたパッケージの菓遊食楽「かわさき物語」は、先程ご紹介した日枝大神社大祭で打ち鳴らす、太鼓を縁起として「日枝太鼓」の名で、大納言を入れた白餡を包んで焼き上げた名菓を中心に三種類を詰め合わせた物。高級感もあり、ちょっとしたお返しやお土産に最適です。和菓子は私たちの生涯に深く結びついて来ましたから、人生の節目には、かかせない行事には必ずお菓子が深く結びついて来ました。近年、忘れがちな風習が見直されて、古き良き日本らしさが受け継がれれば喜ばしいことと明志屋さんを訪ねて感じました。私は帰りに背中に一杯の家族愛を受け止めて、ほっこりとして、今日はなんていい日、ニヤリと笑顔になりました。

 神奈川県菓子工業組合事務局・神原裕美子