佐賀県菓子店

2015.12.17

山里屋菓子老舗

家族で老舗の味を守る

山里屋菓子老舗 佐賀県武雄市にある武雄温泉は「肥前風土記」に記されているほどに歴史があります。そのシンボルの朱塗りの楼門は国の重要文化財に指定されており、この度100周年を迎えました。

 楼門からつながる「温泉通り」で、私は「山里屋菓子老舗」を営んでいます。家族だけで切り盛りしており、現在は7代目(山口恭弘)が跡を継ぎ老舗を守っています。

 雑貨屋として創業したのは天保年間(1830~43年)といい、170年を超えるほど。長崎街道(別名砂糖の道=シュガーロード)筋ということもあり菓子文化が盛んなことから、3代目の頃は「角屋佐兵衛製」と言う屋号で商売をしていたそうです。昔の地図を見たところ恐らくではありますが、長崎街道沿いの角に「角屋」とあり、そこに店を構えていたと思われます。4代目山口佐平より本格的に菓子作りを始め屋号は「山里屋」になり、現在の温泉通りに場所を移し、1917年(大正6年)には全国名産贈答品展覧会において「太白百合羊羹」を出品して「褒賞」を受けられました。この「太白百合羊羹」を考案した4代目は非常に体が弱く、特に胃腸が弱かったこともあり、当時の漢方では百合の根が良いという事を知りそれをお菓子に利用できないかということで試行錯誤の末、百合の根を裏ごして使用する「太白百合羊羹」が出来上がったそうです。白生餡と百合の根を使うことで甘さを抑えた仕上がりであり、封を開けると、ほんのりと百合の根の風味が漂います。これが今でも当店の看板商品となっており遠方へのお土産やお茶請けにも御利用して頂いています。地元のお客様始め、観光のお客様にもご愛顧頂き、これからも老舗の伝統と味を守りつつ、家業に専念していきたいと思います。

 佐賀県菓子工業組合武雄市郡支部・山口恭弘