京都府菓子店

2015.09.17

仏光寺小松屋

夫婦で地域顧客を大切に

小東武史さんご夫婦 京都市内に3代続く和菓子屋さんの紹介です。

 京都 西院近くにお店を構えて70年、壬生寺、御前通りと仏光寺通りに面した地域を大切にする。「仏光寺小松屋」3代目小東武史さん46歳の紹介です。初代小東保二様が五条にあった「小松屋」に丁稚奉公に。後に暖簾分けで現在の場所にお店を開き、こだわりとして「角から2軒目の北向き」と言う立地にこだわり、現在に至ります。近辺の観光としては、西に春日神社、また東に朱雀大路(千本通り)さらには、新撰組で有名な壬生寺があり、元々この地域一帯は西新道商店街というエリアで買い物時には、多く人で賑わいを見せた所です。

 下町の個人店という環境なので、常連のお客様の方々との密接な関係は欠かせないとの事。

 季節を大切にした試作品を試食していただき寸評を活かし、また特殊なリクエストを受けたりと、こういった下町の環境でないと出来ない事も担うべき役割と考えているとの事。

八方焼き 近年の商品の中での事ですが、秋の生栗をふんだんに使っての昔ながらの杵つきの栗餅はおかげさまで大変な好評となり、栗の皮むきが大変な為、全てのお客様にお渡しできないのが申し訳ないですと、嬉しい悲鳴ですとの事。あと「小松屋」の代表的な商品に「八方焼き」があります。六角形の特殊な形状で「素材感」を大切に味が単純にならないために、持てる技術と環境もふくめて常に心がけています。地域では地主神社の梛ノ宮神社や春日神社のお祭りや、壬生寺の節分祭の行事にお客様からの受注を大切にして、近隣の保育所や老人施設からもよく受注を頂けるように今後関係を強化していきたいですとの事です。

 今取り組んでいるのは3年前から青年部の部長期間に参画した「京滋嚥下食を考える会」での咀嚼や嚥下の困難な人向けの和菓子を考案する集まりなのですが、形を保ったままで、とろけるように柔らかい菓子作りは試行錯誤と検証フィードバックの連続で難易度が高く、組合青年部の仲間との試作品やイベントを繰り返してきました。仲間との努力が実り、最近は各イベントで高い反響を頂けるようになりましたと、医療機関現場の方々にも、充分満足して貰える内容となり、また商品として店頭販売を試しに行ったところ「意外に中高年男性を中心に好評を頂いていますと、驚きと喜びを感じいっています」との事。

 武史さんが、結婚されて18年、奥様との息のあったお店の経営も、奥さまの消費者目線、貴重なご意見番です。「自分で作っているだけでは見えない点に気づかされる事が多々あります」その時は「えぇっ!?」と思って理解しかねても後でよく考えると一理あったり、いろいろ手を加えて付加価値を付けようと思うものを「むしろシンプルな物にして値段を下げた方がいい」とか、店の格を上げる事だけ考えているのに対して「学校が近いから子供が欲しがるようなデザインの物があった方がいい」とか、色々と発見させていただいたそうです。

 これからもご夫婦そろって、ご家族でアイデアを商品向上と創作意欲を活かし行きますと、語っていただきました。

 京都府菓子工業組合専務理事・北川清治