各地の菓子店探訪,山形県菓子店

2015.08.17

青年部ブロック長がゆく(東北北海道ブロック)

 菓子業界の発展は「作り手の技術や情熱」と「原材料の安定的供給」の両輪がしっかりと整ってこその事と考えます。今回はそのような観点から、社業はもちろんのこと地域活動や菓子工業組合青年部活動にも真摯に取り組まれ、今後、地域菓子業界を牽引されるであろう2社様(2名の若き期待の経営者)をご紹介申しあげます。

正直な菓子づくりで地元に愛される 戸田屋正道

(左から)ティラミス大福、マンゴー大福、葛まんじゅう(ずんだん、黒糖) 「人間が好き、お菓子大好き!」会社のモットーには「人」が最初にフォーカスされており、菓子作りと経営に対する方向性が明快です。

 戸田屋正道さん(有限会社戸田屋)は、昭和23年に山形市で開業され、現社長の戸田正宏氏のもと磯部理念を取り入れ、美味しい和菓子を地元に提供し、特にティラミス大福は不動の人気商品で多くのお客様に愛されております。

 三代目跡取りであり常務の戸田健志さん(43歳)は、幼少期や修行時代の経験を振り返りながら自分の礎を話してくれました。「正直、幼い頃は家業を継ぐ意識は薄かった。でも20歳を迎え、今の自分があるのも両親や会社のおかげであると気づき、故郷で家業を継ぐ事を決めたんです。」「菓匠京山[千葉県]での修行を通じて素晴らしい師と出会い、菓子に対する姿勢や後継者育成と業界の将来を考える姿に感銘を受け、それが今の私のベースになっています。」更には和菓子づくりと会社経営についても熱く語ってくださいました。「職人である以上技術の研鑽に努め、日本菓業振興会に社員とともに毎月作品を出品しています。その一方で『菓子づくりの前に、人間づくり』という考えのもと、社員の人間的育成にも注力していきます。」実は、自ら口外する事は少ないのだが、地元の小学校で菓子教室を実施したり、地元の食材も積極的に活用されており、溢れんばかりの郷土愛が伝わってまいりました。

店舗データ

戸田健志さんと戸田屋正道店舗戸田屋正道
山形県山形市小姓町1-32
電話 023-622-6728
営業時間 9時~19時
(第2・4水曜日休み)

 

 

 

信用を大切にし、地域の架け橋である マルナカ中村商店

中村祥之さんとマルナカ中村商店社屋 マルナカ中村商店さん(株式会社マルナカ中村商店)は、大正2年に山形市で砂糖卸売業として開業し、現在では小麦粉や水飴をはじめ菓子製造には欠かせない食材を中心に山形県内約100社と取引され、私たち製造・販売業者と地域のお客様とを結ぶ重要なパイプ役として業界の発展に貢献されております。

 初代創業者の血統は近江商人に繋がり、今なお会社として「三方善(さんぽうよし)」の理念を大切にされ、社是は「誠実 自然を敬い、人を尊び、物を愛する心」を掲げておられます。

 今年1月に御父上の恒一氏(現代表取締役会長)から引き継ぎ社長(4代目)に就任され、まさに誠実な人柄である中村祥之さん(42歳、代表取締役)は、自社の存在意義についてこう話します。「安心で安全な原料を安定的に供給することが会社としての使命。特に近年は、お客様が必要とするものを、必要とする時に、必要な分だけお届けすることが大切です。そして、食に携わる企業として永続的に継続していくことが社会への貢献だと思います。」さらに地域への想いも語ってくださいました。「豊富な食材を通じて山形ブランドをもっと発信し、地域にも貢献していきたい!」

 

 昨今唱えられている地域創生には、若い世代、特に責任世代の活躍と自覚が肝要だと思います。お二人を訪ねさせていただき、有能さはもとより、その「覚悟」を強く感じた次第です。私たち青年部は、こういう厳しい時代だからこそ大いなる使命と夢をもって、今後も業界の発展と地域の活性化に尽力してまいりたいものです。

 全菓連青年部東北北海道ブロック長・長谷川浩一郎